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ツーリングオーナーの新型トヨタ「カローラクロス」試乗記【辛口評価】

トヨタ カローラクロス 外装 エクステリア車の比較&試乗記

こんにちは!青空ひつじ(♂)です。

今回は、2023年10月18日に一部改良が行われた新型トヨタ「カローラクロス」を徹底評価!

良かった点、気になった点をご紹介します。

果たして、新型「カローラクロス」はおすすめSUVなのか!?

 

新型カローラクロス マイナーチェンジ違いまとめ~安全装備や燃費は?
2023年10月18日に行われた新型トヨタ「カローラクロス」のマイナーチェンジ(一部改良)による変更点や違いを、「カローラツーリング」オーナーの筆者がまとめてみました。

 

※掲載している「カローラクロス」の写真は「HYBRID Z」のアティチュードブラックマイカです。
※掲載している「カローラクロス」の写真は2023年一部改良前のものです。

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新型「カローラクロス」のエクステリア(外装)

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新型「カローラクロス」のエクステリア:デザインと質感

新型「カローラクロス」のエクステリアは、他カローラシリーズと異なり、SUVらしい無塗装のフェンダーアーチモールやサイドロアガーニッシュ、大きいリヤバンパーが装備されていることが特徴的で、タイヤは最大18インチと大きくなっています。

また、全幅と全高が他カローラシリーズよりかなり大きいため、1回り大きい印象があります。

 

大きいフロントグリルも特徴的で、メッシュの形状も他カローラシリーズと異なります。

「カローラクロス」のフロントグリルは海外仕様とデザインが異なり、日本仕様はCマークが採用されました。

事前情報で「カローラクロスカッコいい!」と思っていた方は、日本仕様のデザインを残念に思った方も少なくないでしょう。

フロントグリルメッシュ内を除くと見える黒い発泡スチロールは他カローラシリーズと同じく「カローラクロス」にも使われています。
※上から2枚目の写真

性能とコストからメリットがあるため使用しているものかと思われますが、見えてしまった瞬間少し残念な気持ちになってしまうため、できればもう少し見えない様に考慮してほしかったところですね。

 

ヘッドランプやリアコンビネーションランプは少し丸みを帯びた形状となっており、最上位グレードの「Z」であればシーケンシャルターンランプ、いわゆる“流れるウィンカー”が装備されることも「カローラクロス」の大きな特徴です。

ちなみに、同価格帯のSUVだとホンダ「ヴェゼル」の上位グレードが同じくフロントに、トヨタ「C-HR」の上位グレードならリヤに、シーケンシャルターンランプを採用しています。

 

ドアウィンドウ周辺は、クロームメッキのドアウィンドウフレームモールディングが上部だけですが装備されているため、比較的上質な印象です。

Cピラーに刻印された「COROLLA CROSS」の文字も特徴的です。

ちなみに、トヨタ「ヤリスクロス」はサイドロアガーニッシュに車名が刻印されています。

 

エクステリアの質感は、前後バンパーやフェンダーアーチモール、センターピラー、サイドロアガーニッシュなど無塗装樹脂パーツが多く、金属調塗装のフロントロアグリルやリヤロアバンパーなども特別質感高い印象はありません。

同価格帯のSUVだと、「C-HR」の上位グレードならセンターピラーは艶あり塗装となっており、「ヴェゼル」の上位グレードなら前後バンパーやフェンダーアーチモール、センターピラー、サイドロアガーニッシュなど、「カローラクロス」だと無塗装の部分の多くがクリアブラック塗装となっており、非常に上質になっています。

「カローラクロス」のエクステリアの質感は、クロームメッキのドアウィンドウフレームモールディングが設定されている点などから「ヤリスクロス」より上質なものの、「C-HR」や「ヴェゼル」より劣っているといえるでしょう。

 

ちなみに、筆者の「カローラツーリング」は「カローラスポーツ」のブラック艶あり塗装のセンターピラーガーニッシュを装備しています。

かなり見た目の印象が変わりますし、ディーラーで比較的安く装備できたため、非常に気に入っています。

「カローラクロス」も装備できる可能性があるため、気になる方はディーラーさんに相談してみましょう。

カローラツーリングのセンターピラーガーニッシュをブラック艶有り塗装にしてみた
こんにちは!青空ひつじ(♂)です。 筆者は先日トヨタ「カローラツーリング」を購入しました! スバル「インプレッサスポーツ」からの乗り換えです。 そこで、今回は「カローラツーリングオーナーが語る」シリーズ第3弾として、「カローラツーリング」の...

 

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新型「カローラクロス」のインテリア(内装)

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新型「カローラクロス」のインテリア:デザインと質感

新型「カローラクロス」のインテリアは、インサイドドアグリップの形状、助手席前インパネパネルの形状、フロントコンソールトレイの形状が異なる程度で、基本的に他カローラシリーズと共通のデザインとなっています。

 

「カローラクロス」のインテリアで特徴的なのは、何と言っても1,260mmと高い室内高にあります。

室内高が1,160mm前後となっている他カローラシリーズより10cm以上大きく、同価格帯のSUVの中で室内が広い「ヴェゼル」の1,225mmより3.5cmも大きくなっています。

当然、「C-HR」(1,210mm)や「ヤリスクロス」(1,205mm)よりも大きくなっています。

これにより、運転席・後部座席ともに頭上スペースは非常に開放的で、「C-HR」や「ヤリスクロス」より拳1つ分程度広くなっています

この点は「カローラクロス」の大きな魅力の1つといえるでしょう。

 

また、他カローラシリーズには設定できない「パノラマルーフ」が設定できることも大きな特徴の1つで、同価格帯のSUVだと「ヴェゼル」やマツダ「CX-30」など、一部の車種にしか設定できません。

「ヴェゼル」や「CX-30」と異なり、中間グレードにもオプション設定できる点は魅力的ですが、価格が11万円と高いことがネックです。
※「CX-30」は8.8万円

 

「カローラクロス」のインテリアの質感は、最上位グレード「Z」なら本革+ファブリックとなるため、一見上質な印象がありますが、直接見て触ってみると、触り心地や艶など「本当に本革シートなのか!?」と思ったほど質感が低い印象を受けました。

さらにドアアームレストは、フロントリヤともにパワーウインドウスイッチ部は無塗装樹脂で、アームレスト部も硬く、明らかに質感が低くなっています。

個人的には、このドアアームレストの質感の低さが「カローラクロス」の内装で最も気になった部分です。

室内の質感がかなり低い「ヤリスクロス」よりは上質なものの、「ヴェゼル」や「C-HR」、「CX-30」より大きく劣るといえるでしょう。

このインテリアの質感の低さは、「カローラクロス」の大きな欠点といえるでしょう。

上記は最上位グレードの話で、下位グレードになると一層質感の低さが強調される形になります。

 

「カローラクロス」の快適装備は、他カローラシリーズなら全ドア照明付となっているパワーウインドウスイッチが、「カローラクロス」は運転席のみとなっています。

ただ、全ドア自動全開閉できますので、「ヴェゼル」の下位グレードより利便性は高くなっています。

「ヤリスクロス」や「C-HR」、「ヴェゼル」にはない運転席8ウェイパワーシートも設定されています。

一方、充電用USB端子が上位グレードだと後部座席用の2つしかなく、最上位グレード「Z」なら「おくだけ充電」がオプション設定できるものの、標準装備だと充電設備が乏しい印象があります。

前後に充電用USB端子が設定され、「ワイヤレス充電器」もオプション設定できる「ヴェゼル」の方が充電設備が充実しているといえます。

そのため、「カローラクロス」の前席でスマホなどの充電を行いたい場合は、ディーラーオプションの電源BOXを設定しましょう。

 

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新型「カローラクロス」の後部座席の広さ

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新型「カローラクロス」の室内の広さを、同価格帯のSUVと比較してみましょう。

 

■カローラクロス

→室内長:1,800mm/室内幅:1,505mm/室内高:1,260mm

■ヤリスクロス

→室内長:1,845mm/室内幅:1,430mm/室内高:1,205mm

■C-HR

→室内長:1,800mm/室内幅:1,455mm/室内高:1,210mm

■ヴェゼル

→室内長:1,930mm/室内幅:1,485mm/室内高:1,225mm

 

上記の数値のとおり、「カローラクロス」は室内幅と室内高が他車より高くなっています。

「カローラクロス」の後部座席は、高い室内高により頭上スペースが広く、室内幅が広いため3人乗車時でも横幅に余裕があります。

この点は「カローラクロス」の大きな魅力の1つといえるでしょう。

 

一方、足元スペースは他カローラシリーズとほとんど変わりません。

「ヤリスクロス」や「C-HR」より広いものの、170cm程度のドライバーが前席に座った場合の後部座席足元スペースが拳3個分は優にある「ヴェゼル」の方が圧倒的に広くなっています。

そのため、「カローラクロス」の後部座席は「ヴェゼル」より拳1個分以上狭い印象です。

また、他カローラシリーズで欠点としてあげている後席ドアの開閉度の狭さについて、残念ながら「カローラクロス」も改善されていません。

高い室内高により他カローラシリーズより乗り込みやすくなっているものの、「ヴェゼル」と比較すると劣るでしょう。

 

「カローラクロス」の後部座席の快適装備として特徴的なのは、後席エアコン吹き出し口、そしてリクライニング機能です。

「カローラクロス」の後部座席は2段階のリクライニングが可能となっており、上の写真のとおり比較的倒せるようになっています。

他車だと日産「ノート」などはほとんど倒せないものになっていますが、比較的倒せるスバル「レヴォーグ」と同等か、それ以上倒せるようになっておいます。

倒し方は座席を前に倒す際と同じ肩口のレバーで後ろに下げる形なので、座席横のレバーで倒せる「レヴォーグ」と比較すると使い勝手は今ひとつです。

とはいえ、後席の快適性は向上するため、同価格帯のSUVにはない大きな魅力の1ついえるでしょう。

また、後席エアコン吹き出し口により暑い夏場は快適です。後席エアコン吹き出し口は、同価格帯のSUVだと「ヴェゼル」の上位グレードや「CX-30」にしか設定されていません。

 

リクライニングできる点、後席エアコン吹き出し口がある点、高い室内高による開放感などから、「ヤリスクロス」や「C-HR」より後部座席の快適性は高いと考えます。

一方、後部座席の足元スペースの狭さ、後席ドアの開閉度の狭さという欠点があるため、総合的に考えると後部座席の快適性は「ヴェゼル」より劣る印象です。

 

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新型「カローラクロス」の荷室の広さ

トヨタ カローラクロス 荷室 ラゲッジスペーストヨタ カローラクロス 荷室 ラゲッジスペース
トヨタ カローラクロス 荷室 ラゲッジスペース
新型「カローラクロス」の荷室(ラゲッジスペース)の広さを、同価格帯のSUVと比較してみましょう。

 

■カローラクロス

→ラゲッジスペース:487ℓ

■ヤリスクロス

→ラゲッジスペース:390ℓ

■C-HR

→ラゲッジスペース:318ℓ

■ヴェゼル

→ラゲッジスペース:-

 

上記のとおり、「カローラクロス」のラゲッジスペースは非常に広くなっています。

比較的広い「ヤリスクロス」や「ヴェゼル」よりも約1.2倍広くなっています
※「ヴェゼル」は前モデルの数値393ℓを参考

奥行きが広いというより、やはり室内高が高いことにより広くなっている形です。

「カローラクロス」のラゲッジスペースは、スバル「フォレスター」の509ℓに迫る広さとなりますので、相当広いことが分かりますね。

ラゲッジスペースが広いことも、「カローラクロス」の大きな魅力の1つといえるでしょう。

 

そして、「カローラクロス」のラゲッジスペースの大きな魅力は「ハンズフリーパワーバックドア」が設定できることでしょう。

「ハンズフリーパワーバックドア」によりボタン1つでバックドアの開閉が可能で、クルマのロックまで可能と非常に便利です。

また、運転席ハンドル右下に設置されたボタンでもバックドアの開閉が可能で、当然キック動作でも開閉可能です。

パワーバックドアがないと、度々半ドアになったり、逆に強くバックドアをしめてしまい「バンッ」と嫌な音を出してしまうことがありますが、パワーバックドアがあれば“そんな憂い”から開放されます。

そのため、「カローラクロス」の大きな魅力の1つといえるでしょう。

同価格帯のSUVだと「ヴェゼル」や「CX-30」など、一部の車種にしか設定できません。

 

トヨタ「カローラクロス」公式HPより

ライバル車より圧倒的に広く、使い勝手も優れた「カローラクロス」のラゲッジスペースですが、標準だと後席を倒した際に段差ができてしまいます。

約1.7万円するメーカーオプションの「ラゲージアクティブボックス」を設定すればフラットにすることができますが、この点は欠点といえるでしょう。
※上2枚目の写真

また、ラゲージルームランプが標準だとハロゲンとなっているため、夜は暗くて見にくくなっています。

同価格帯のSUVだと「ヴェゼル」や「CX-30」はLEDが標準装備となっていますので、この点も劣る形になります。

ディーラーオプションでバックドアに設置するLEDランプを設定可能ですが、約3万円と非常に高価なため、ラゲージルームランプをLED化したい場合は外品を購入することをおすすめします。

 

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新型「カローラクロス」の走行性能

新型「カローラクロス」のボディサイズ、運転のしやすさ

トヨタ「カローラクロス」公式HPより

新型「カローラクロス」のボディサイズ、運転のしやすさを、同価格帯のSUVと比較してみましょう。

 

■カローラクロス

→全長:4,490mm/全幅:1,825mm/全高:1,620mm/最低地上高:160mm/最小回転半径:5.2m

■ヤリスクロス

→全長:4,180mm/全幅:1,765mm/全高:1,590mm/最低地上高:170mm/最小回転半径:5.3m

■C-HR

→全長:4,385mm/全幅:1,795mm/全高:1,550mm/最低地上高:140~155mm/最小回転半径:5.2m

■ヴェゼル

→全長:4,330mm/全幅:1,790mm/全高:1,580mm/最低地上高:170~195mm/最小回転半径:5.3~5.5m

 

上記のとおり、同価格帯のSUVとボディサイズを比較すると、「カローラクロス」は全長・全幅・全高が大きくなっていることがわかります。

中でも全幅が大きいことが特徴的です。

「カローラクロス」の全幅は「フォレスター」の1,815mmより大きくなっていますので、ミドルクラスSUV並の大きさであることがわかります。

そのため、“全幅が大きすぎる!”と思っている方も少なくないでしょう。

個人的に「RAV4」も大きすぎる印象がありましたが、「カローラクロス」も全幅が少し大き過ぎると考えます。できれば1,800mmは超えないでほしかったところです。

 

「カローラクロス」は、アイポイントが高いため見晴らしが良く、視界性能は非常に優れています。

ただ、視界性能について「C-HR」を除き各車優れており、運転のしやすさについては全幅が比較的小さい「ヤリスクロス」や「ヴェゼル」が優れています。

道幅が広い高速道路や国道では大きな違いはありませんが、全幅が1,800mmを超えている「カローラクロス」は、生活道路や山道の様な細い道では運転しにくくなります。

実際、試乗してみた印象としても、トヨタ「ヤリス」やホンダ「フィット」と同じような感覚で運転できた「ヤリスクロス」や「ヴェゼル」と比較すると、「カローラクロス」はやはり横幅の大きさが気になりました。

これまで軽自動車やBセグメントクラスのクルマにしか乗ってこなかった方、生活道路の様な細い道をよく走る方は、「ヤリスクロス」や「ヴェゼル」の方が無難だと考えます。

 

一方、「カローラクロス」の最小回転半径はボディサイズが小さい「ヤリスクロス」よりも10cm小さくなっており、ボディサイズは大きいですが小回りは優れていることがわかります。

 

「カローラクロス」の最低地上高は、「C-HR」よりは高くなっているものの、「ヤリスクロス」より1cm小さく、「ヴェゼル」より最大で3.5cmも小さくなっています。

都会派SUVですので最低地上高の高さを気にする方は少ないかと思いますが、最低地上高が高いことによりバンパーを擦る心配は低減します。

そういう意味では、都会派SUVながら最低地上高が高い「ヴェゼル」の方が魅力的です。

 

新型「カローラクロス」の加速性能

トヨタ「カローラクロス」公式HPより

新型「カローラクロス」のパワートレインは、2023年の一部改良より新型「ノア」・「ヴォクシー」から採用されている第5世代1.8Lハイブリッドシステム、トヨタ「RAV4」や「ヤリス」に採用されているDirect Shift-CVTと組み合わせた2.0Lダイナミックフォースエンジンの2種類となっています。

 

では、エンジン性能を同価格帯のSUVと比較してみましょう。

・カローラクロス

・2.0Lガソリン
→最高出力 125kW〈170PS〉/6,600rpm
→最大トルク 202N・m〈20.6kgf・m〉/4,900rpm

・1.8Lハイブリッド
エンジン
→最高出力 72kW〈98PS〉/5,200rpm
→最大トルク 142N・m〈14.5kgf・m〉/3,600rpm
モーター
→最高出力 70kW〈95PS〉
→最大トルク 185N・m〈18.9kgf・m〉

→システム最高出力 103kW〈140PS〉

 

・ヤリスクロス

・1.5Lガソリン
→最高出力 88kW〈120PS〉/6,600rpm
→最大トルク 145N・m〈14.8kgf・m〉/4,800~5,200rpm

・1.5Lハイブリッド
エンジン
→最高出力 67kW〈91PS〉/5,500rpm
→最大トルク 120N・m〈12.2kgf・m〉/3,800~4,800rpm
モーター
→最高出力 59kW〈80PS〉
→最大トルク 141N・m〈14.4kgf・m〉

→システム最高出力 85kW〈116PS〉

 

・C-HR

・1.2Lターボ
→最高出力 85kW〈116PS〉/5,200~5,600rpm
→最大トルク 185N・m〈18.9kgf・m〉/1,500~4,000rpm

・1.8Lハイブリッド
エンジン
→最高出力 72kW〈98PS〉/5,200rpm
→最大トルク 142N・m〈14.5kgf・m〉/3,600rpm
モーター
→最高出力 53kW〈72PS〉
→最大トルク 163N・m〈16.6kgf・m〉

→システム最高出力 90kW〈122PS〉

 

・ヴェゼル

・1.5Lガソリン
→最高出力 87kW〈118PS〉/6,600rpm
→最大トルク 142N・m〈14.5kgf・m〉/4,600rpm

・1.5Lハイブリッド(e:HEV)
エンジン
→最高出力 97kW〈106PS〉/6,000~6,400rpm
→最大トルク 127N・m〈13.0kgf・m〉/4,500~5,000rpm
モーター
→最高出力 96kW〈131PS〉/4,000~8,000rpm
→最大トルク 253N・m〈25.8kgf・m〉/0~3,500rpm

 

2023年の一部改良前は加速性能が控えめな印象が強かった「カローラクロス」ですが、2023年の一部改良後は加速が軽やかになっており、特に2.0L車ガソリン車は加速性能が優れています。

具体的には、1.8Lハイブリッド車の0-100km/h加速が9.5秒前後、2.0Lガソリン車が8.5秒前後となっています。

 

古い1.8Lハイブリッドシステムを搭載している「C-HR」と加速性能を比較すると、間違いなく「カローラクロス」が勝ります。

0-100km/h加速は10秒前後となっており、特別加速性能が優れている印象はありません。

100km/hを超えるような高速時での追い越しや、急な上り坂では若干パワー不足を感じるシーンもあります。

 

スペック的に劣る「ヤリスクロス」ですが、車両重量は「カローラクロス」より200kg前後軽いため、1.5Lハイブリッド車については「カローラクロス」より軽やかになっています。

0-100km/h加速は1秒前後「カローラクロス」より速くなっています。

一方で、1.5Lガソリン車の0-100km/h加速は9秒前半となっており、「カローラクロス」より劣ります。

 

同価格帯のSUVの中で、最も加速性能が優れているのは「ヴェゼル」のe:HEV搭載車となっています。

軽くアクセルを踏み込んだ際の加速感は車両重量が軽い「ヤリスクロス」の方が軽やかな印象もありますが、ドライブモードをSPORTにした際や、アクセルを強く踏んだ際の加速性能が優れており、0-100km/h加速は最も速い8秒前後となっています。

1.5Lガソリン車の加速性能は、「ヤリスクロス」と同程度となっています。

 

上記のとおり、同価格帯のSUVと比較すると「カローラクロス」の加速性能は比較的優れており、特に2.0L車ガソリン車の走りが優れています

加速性能を重視する方は、「カローラクロス」の2.0Lガソリン車、「ヴェゼル」のe:HEV搭載車が良いでしょう。

 

新型「カローラクロス」の乗り心地、静粛性

トヨタ「カローラクロス」公式HPより

新型「カローラクロス」乗り心地は、2WD車のリヤサスペンションがトーションビームとなっているため、ダブルウィッシュボーンの「カローラツーリング」などより大きく劣ると思って試乗しました。

ところが、結果的には全く逆で、「カローラクロス」の乗り心地は非常にソフトな印象がありました。

後部座席シートの硬度が「カローラツーリング」などより柔らかいこともあり、乗り心地が良く感じた可能性もありますが、いずれにしても“トーションビームだから乗り心地悪い”なんてことは全くありません。

同様に静粛性も優れており、ロードノイズや風切り音は、かなり抑えられています。

同価格帯のSUVと比較しても、「ヴェゼル」や「C-HR」に全く負けていない性能となっています。

乗り心地については、「ヤリスクロス」が最も劣る印象です。

 

新型「カローラクロス」の燃費性能

トヨタ「カローラクロス」公式HPより

新型「カローラクロス」の燃費性能は、他カローラシリーズより3.0km/L程度劣るものの、CセグメントクラスのSUVとしては非常に優れています。

では、燃費性能を同価格帯のSUVと比較してみましょう。

 

・カローラクロス

・2.0Lガソリン
→16.6km/L(WLTCモード)
→13.25km/L(e燃費より)

・1.8Lハイブリッド ※2WD
→26.4km/L(WLTCモード)
→23.37km/L(e燃費より)

 

・ヤリスクロス

・1.5Lガソリン ※2WD
→20.2km/L(WLTCモード)
→13.92km/L(e燃費より)

・1.5Lハイブリッド ※2WD
→30.8km/L(WLTCモード)
→25.12km/L(e燃費より)

 

・C-HR

・1.2Lターボ ※2WD、CVT
→14.9km/L(WLTCモード)
→12.12km/L(e燃費より)

・1.8Lハイブリッド
→25.8km/L(WLTCモード)
→21.65km/L(e燃費より)

 

・ヴェゼル

・1.5Lガソリン ※2WD
→17.0km/L(WLTCモード)
→13.52km/L(e燃費より)

・1.5Lハイブリッド(e:HEV) ※2WD
→25.0km/L(WLTCモード)
→22.15km/L(e燃費より)

 

上記のとおり、「カローラクロス」のハイブリッド車は30.0km/Lを超える未来的な燃費性能となっている「ヤリスクロス」に次いで優秀であることがわかります。

実燃費は使用環境や季節によって異なりますが、筆者の「カローラツーリング HYBRID W×B」でも平均25.0km/Lとなっているため、「カローラクロス」も25.0km/Lを狙えると考えています。

同様に「ヤリスクロス」の実燃費ももう少し伸びる印象がありますが、いずれにしても「ヤリスクロス」の方が2.0km/L~3.0km/L程度優れているでしょう。

「ヤリスクロス」よりは劣るものの、「カローラクロス」の燃費性能は「ヴェゼル」や「C-HR」より0.5km/L~1.0km/L程度優れています。

「カローラクロス」のガソリン車は2023年の一部改良で+2.2km/Lと大きく向上しており、加速性能と合わせて非常に優れていると考えます。

 

ちなみに、年間走行距離8,000km、ガソリン代140円で維持費を計算すると、以下のようになります。

  • 「カローラクロス ガソリン」:自動車税3.6万円+ガソリン代約8.5万円=年約12.5万円
  • 「カローラクロス ハイブリッド」:自動車税3.6万円+ガソリン代約4.8万円=年約8.4万円
  • 「ヤリスクロス ガソリン」:自動車税3.05万円+ガソリン代約8.0万円=年約11.0万円
  • 「ヤリスクロス ハイブリッド」:自動車税3.05万円+ガソリン代約4.5万円=年約7.5万円
  • 「ヴェゼル ガソリン」:自動車税3.05万円+ガソリン代約8.3万円=年約11.3万円
  • 「ヴェゼル ハイブリッド」:自動車税3.05万円+ガソリン代約5.0万円=年約8.1万円

 

「カローラクロス」はハイブリッド車はガソリン車より年約4万円も維持費が安くなっています

一方、燃費性能の優れた「ヤリスクロス」や「ヴェゼル」のハイブリッド車と維持費を比較すると、「カローラクロス」は「ヤリスクロス」より年約9千円程度高く、「ヴェゼル」より年約3千円程度高くなっています。

燃費性能よりも自動車税が「カローラクロス」より年5,500円安いことが大きくなっています。

上記の価格差をどう考えるかはユーザーによって異なりますが、維持費の安さだけで「ヤリスクロス」や「ヴェゼル」を選択するほど、価格差は大きくないと考えます。

上記より、「カローラクロス」の維持費は比較的安いといえます。

この点も「カローラクロス」の大きな魅力といえるでしょう。

 

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新型「カローラクロス」の安全性能

トヨタ カローラクロス 内装 インテリア
新型「カローラクロス」の安全装備は、他カローラシリーズと概ね同じ装備内容となっていますが、他カローラシリーズにはない「パノラミックビューモニター」や「アドバンスト パーク」を設定できる魅力があります。

 

同価格帯のSUVと比較すると、「カローラクロス」には「ヤリスクロス」や「ヴェゼル」にはない以下の装備が設定されています。

■自動ブレーキ、衝突回避操舵支援

  • 交差点右左折時の自転車検知、出会い頭時の車両や自転車検知
    交差点右左折時の隣接2レーンまでの対向車、歩行者、自転車に対しても衝突警報や自動ブレーキが作動
    さらに交差点の出合い頭時にも自車速度5~60km/hと幅広く作動する国産車トップクラスの性能
  • プロアクティブドライビングアシスト
    歩行車や自転車が横断する場合や、側道に歩行者や自転車、駐車車両がいる場合、ステアリング操作やブレーキ操作支援による衝突を事前に抑制
    先行車や前方のカーブに対して減速操作をサポートし、頻繁な踏みかえ操作を軽減
  • パーキングサポートブレーキ(周囲静止物、後方歩行者)
    車両前後方のみならず側方に対しても衝突の危険性がある際は自動ブレーキが作動し、後退時に歩行者と接触する危険性が高い場合にも自動ブレーキも作動

■駐車支援

  • 安心降車アシスト
    後方から接近する車両や自転車を検知して、降車乗員と衝突する危険性がある場合、ドアミラーインジケーターの点滅、ブザー音での警告、ディスプレイ表示などが行われる

■高速運転支援

  • ドライバー異常時対応システム
    レーントレーシングアシスト作動中にドライバーの無操作状態が続くとハザードランプやストップランプの点灯、ホーンを鳴らし、自車線内で停止、ドア解錠を行い、緊急車両の手配まで行う
  • レーダークルーズコントロール(カーブ速度抑制機能)
    ステアリングの切り始めを検知し、速度を抑制

■運転サポート

  • ロードサインアシスト
    信号が青に変わるとブザー音やディスプレイ表示でお知らせする機能を追加、方向指示器側の信号にも対応

 

上記の中でも最大の違いは、自動ブレーキの性能です。

多くのクルマは交差点右左折時ではプリクラッシュセーフティが作動しない(しない可能性がある)レベルでしたが、「カローラクロス」は2023年の改良で交差点右左折時でも対向車や歩行者、自転車に対しても作動するようになっています。

「ヤリスクロス」も交差点右左折検知が可能な自動ブレーキとなっていますが、自転車検知や交差点の出合い頭時への対応有無の点で異なります。

さらに、“衝突する可能性があるかもしれない”という状況を予測してステアリング操作やブレーキ操作を支援する「プロアクティブドライビングアシスト」も先進的で、この機能により事故を“もっと手前で”防いでくれます。

後退時の自動ブレーキも、歩行者に対して、車両前後方のみならず側方に対しても作動するようになっています。

これらの機能は、新型「ノア」・「ヴォクシー」から採用されたもので、トヨタ「ハリアー」や「RAV4」には一部採用されていない機能も新型「カローラクロス」には採用されています。
※交差点右左折時の自転車検知、交差点の出合い頭時の対応、プロアクティブドライビングアシストなど

新型「カローラクロス」の自動ブレーキは、2023年時点でトップクラスの性能となっており、一部性能ではスバル「レヴォーグ」すら上回っています

そのため、安全性能でSUVを選ぶなら「カローラクロス」がおすすめだと考えます。

 

一方の「ヤリスクロス」は、「オートハイビーム」より先進的な「アダプティブハイビームシステム」、横風対応制御付きのS-VSCが搭載されている点で優れています。

安全性能には含まれませんが、「ヤリスクロス」のガソリン車には4WDシステム「ダイナミックトルクコントロール4WD」や「マルチテレインセレクト」、「ダウンヒルアシストコントロール」が、ハイブリッド車には「TRAILモード」や「SNOWモード」が採用されており、「カローラクロス」にはない悪路走破性を高める装備が満載です。

 

「カローラクロス」と比較すると、「ヴェゼル」は安全性能で大きく劣るといえるでしょう。

一方、「ヴェゼル」には「LEDアクティブコーナリングライト」が搭載されている点で「カローラクロス」より優れています。

 

同価格帯のSUVと比較した場合、「カローラクロス」は安全性能で頭1つ抜けたような形になっています。

 

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新型「カローラクロス」のおすすめグレード・オプション、見積額

トヨタ「カローラクロス」公式HPより

新型「カローラクロス」のおすすめグレード

新型「カローラクロス」のおすすめグレードは「HYBRID Z」です。

各グレードの違い、おすすめグレードの詳細は、以下の記事にまとめています。

【最新】新型カローラクロスのグレードの違いまとめ~おすすめグレードは!?
2023年10月18日に一部改良が行われた新型トヨタ「カローラクロス」のグレードの違いをカローラツーリングオーナーをまとめました。おすすめグレードも徹底検証しています。

 

新型「カローラクロス」のおすすめオプション

新型「カローラクロス」のおすすめオプションは、以下の記事にまとめています。

【新型カローラクロス オプション】最新おすすめオプション5選
2023年10月18日に一部改良が行われた新型トヨタ「カローラクロス」のおすすめオプションを「カローラツーリング」オーナーが徹底検証!必要なオプションとは?

 

新型「カローラクロス」の見積額

トヨタ カローラクロス 外装 エクステリア
最後は、新型「カローラクロス」の見積額をご紹介します。

 

  • Z:約307万円
  • HYBRID S:約310万円
  • HYBRID Z:約337万円

 

上記はオプションに、パノラミックビューモニターなど安全装備のセットオプション、アクセサリーコンセント(ハイブリッド車のみ)、ディスプレイオーディオPlus、アームレスト(スライドタイプ)、マット程度を設定、値引き額が32万円だった場合の価格です。

オプション総額は、ハイブリッド車で33万円程度、ガソリン車で27万円程度となっています。

点検パックは毎年点検代を払うよりお得なため付けるべきかと思いますが、点検パックの価格は“先に払っているだけ”なため、上記の価格からは抜いています。

 

「カローラツーリング」と比較すると、「カローラツーリング」の最上位グレード「HYBRID W×B」の全込み価格が約300万円(筆者購入価格)ですので、「カローラクロス HYBRID Z」の方が37万円も高くなります。

「カローラクロス HYBRID S」や「カローラクロス Z」と比較しても「カローラツーリング HYBRID W×B」の方が20万円前後安くなります。

【最新】新型カローラクロス・ツーリングの違いをオーナーが比較した結果~どっちがおすすめ!?
2024年4月2日に一部改良が行われた新型トヨタ「カローラツーリング」と「カローラクロス」の違いをオーナーの筆者が徹底比較!果たして、どっちがおすすめなのか!?

 

では、同価格帯のSUVと価格を比較してみましょう。

■ヤリスクロス

  • 「G」:約245万円
  • 「Z」:約257万円
  • 「HYBRID G」:約272万円
  • 「HYBRID Z」:約284万円

■ヴェゼル

  • 「G」約252万円
  • 「e:HEV X」約283万円
  • 「e:HEV Z」約307万円
  • 「e:HEV PLaY」約325万円

 

「カローラクロス」と「ヤリスクロス」の価格を比較すると、1クラス違うこともあり、40~50万円程度「ヤリスクロス」の方が安くなっています。

「ヤリスクロス」は快適装備や室内の質感が「カローラクロス」より大きく劣るため、妥当な価格差だといえるでしょう。

 

「カローラクロス」と「ヴェゼル」の価格を比較すると、同じ価格帯であることがわかります。

「カローラクロス」の最上位グレード「HYBRID Z」より「ヴェゼル」の上位グレード「e:HEV Z」の方が30万円程度安くなりますが、エクステリア・インテリアの質感は「ヴェゼル」が上だと考えます。

中間グレードの「HYBRID S」と「e:HEV X」の価格差も同様ですが、これらの質感差はさほどありません。

安全性能は「カローラクロス」が圧倒的に優れているため、一概に「ヴェゼル」がお得とはいえませんが、ユーザーによって判断が分かれるところでしょう。

 

新型「カローラクロス」に限った話ではありませんが、深刻な納期待ちが発生しており、半年で買えれば早い方といった異常事態に陥っています。

そのため、「カローラクロス」をすぐに購入したい方は、納期待ちがほとんどない中古車が非常におすすめです。

「カローラクロス」を少しでも安く、お得に購入したい方は“新車同様の中古車”も検討してみましょう。

 

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  • 納車後、100日以内であれば返品可能
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ガリバーによると、修復歴車の約4割(39.4%)の車で何らかの故障が発生していたため、修復歴車の販売をやめたようです。そんな修復歴車を販売していないので、故障が発生するリスクが低いともいえますね。

特に驚きなのが、100日以内であれば返品可能というところではないでしょうか。これなら、仮に購入した車に問題があった場合や、急に車の使用シーンが大きく変わっても安心ですよね。

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まとめ

新型「カローラクロス」は、高い室内高、広いラゲッジスペース、快適性の優れた後部座席、同クラストップレベルの燃費性能と安全性能、比較的安い価格設定から“コスパが高いSUV”だといえます。

「ヤリスクロス」だと室内の質感が低すぎる、後部座席が狭すぎると考えている方や、「RAV4」や「ハリアー」だとボディサイズが大きすぎると考えている方には非常におすすめです。

 

一方、室内の質感の低さで目立つ部分があり、全幅が大きすぎる欠点があります。

特に最大のライバルとなる「ヴェゼル」と比較すると内外装の質感では大きく劣ることになり、全幅の大きさから「ヤリスクロス」を選択する方もいるでしょう。

個人的には、内外装の質感をもう少し向上させ、全幅をせめて1,800mm以内に収めていれば、より魅力的なSUVになると感じました。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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