こんにちは!青空ひつじ(♂)です。
今回は、2024年5月20日に一部改良が行われた新型トヨタ「シエンタ」と、2022年1月13日にフルモデルチェンジが行われたトヨタ「ノア」・「ヴォクシー」の違いを、エクステリア・インテリア・運転のしやすさ・車内の広さ・加速性能・燃費性能・安全性能・価格など、各項目で徹底比較いたします。
同じトヨタの大人気ミニバンである両車。
果たしてどれほどの違いがあり、どっちが後悔しないのか!?
新型「シエンタ」、新型「ノア」・「ヴォクシー」の詳細は、以下の記事にまとめています。
ボディサイズ・運転のしやすさ・エクステリアの比較
ボディサイズの比較
■シエンタ(G・アーバンカーキ・ファンツールパッケージ&sientaギアセット)
■トヨタ「ノア Z(7人乗り)」スティールブロンドメタリック
■トヨタ「ヴォクシー HYBRID S-G(7人乗り)」マッシブグレー
「シエンタ」と「ノア」・「ヴォクシー」のボディサイズを比較してみましょう。
・シエンタ
全長(mm):4,260
全幅(mm):1,695
全高(mm):1,695(4WD車は1,715)
ホイールベース(mm):2,750
車両重量(kg):1,270~1,420
最小回転半径(m):5.0
最低地上高(mm):140
・ノア・ヴォクシー
全長(mm):4,695
全幅(mm):1,730
全高(mm):1,895、(4WD車は1,925)
ホイールベース(mm):2,850
車両重量(kg):1,600~1,670
最小回転半径(m):5.5
最低地上高(mm):140(4WD車は125)
Bセグメントクラスのミニバンである「シエンタ」と、Cセグメントクラスのミニバンである「ノア」・「ヴォクシー」のボディサイズを比較すると、以下のとおり全てにおいて「ノア」・「ヴォクシー」が大きくなっています。
- 全長は「ノア」・「ヴォクシー」が43.5cm大きい
- 全幅は「ノア」・「ヴォクシー」が3.5cm大きい
- 全高は「ノア」・「ヴォクシー」が最大23cm大きい
- 車両重量は「ノア」・「ヴォクシー」が300kg前後重い
- 最小回転半径は「ノア」・「ヴォクシー」が50cm大きい
上記のとおり「シエンタ」よりボディサイズが大きい「ノア」・「ヴォクシー」ですが、運転席のアイポイントが高いことにより上から見下ろす形となり、全幅を確認しやすく、決して運転しにくいクルマではありません。
2022年1月13日のフルモデルチェンジで5ナンバーサイズから3ナンバーサイズになりましたが、運転が苦手な方にもおすすめできる運転しやすいミニバンだと考えます。
とはいえ、軽自動車やトヨタ「ヤリス」・「アクア」のようなコンパクトカーと同じような感覚で運転できる「シエンタ」の方が運転しやすいことは間違いありません。
「ノア」・「ヴォクシー」は、全長、特に運転席から後ろに長く、全幅も若干大きいため、「シエンタ」とは運転する感覚が異なります。
また、「シエンタ」は最小回転半径が「ヤリス」や「アクア」の一部グレードより小さいため、小回りの良さでは「シエンタ」が圧倒しています。
道路幅の広い高速道路や国道などでは大きな違いは感じにくいですが、生活道路や山道など道路幅が狭い道では、運転のしやすさの違いが顕著にでるでしょう。
エクステリアの比較
■シエンタ(Z・ホワイトパールクリスタルシャイン)
■トヨタ「ノア Z(7人乗り)」スティールブロンドメタリック
■トヨタ「ノア S-G(7人乗り)」ホワイトパールクリスタルシャイン
■トヨタ「ヴォクシー HYBRID S-G(7人乗り)」マッシブグレー
「シエンタ」と「ノア」・「ヴォクシー」のエクステリアを比較してみましょう。
「シエンタ」は、ほっこりする優しいフロントデザインとなっています。
フロントデザインは、新型「アクア」や「パッソ」と似た印象があります。
ボディサイズが大きく見えないデザインとなっていること、かつ全高が先代「シエンタ」より2cm低くなったことで、全長や全幅に違いはないものの先代「シエンタ」よりボディサイズがコンパクトになった印象もあります。
四角く丸いデザインの“シカクマル”をコンセプトとしており、バンパーコーナープロテクターなどにより“ツール感”も強調されています。
「シエンタ」のエクステリアの質感は、全体的に艶感のある加飾がほとんどなく、質感高い印象はありません。
全グレードでスチールホイール(樹脂フルキャップ)が標準装備となっている点は廉価な印象もあります。
その他、ファンツールパッケージを選択することでセンターピラーがボディ同色となり、内装色がカーキとなります。
個人的には“より廉価な印象になる”ため、ファンツールパッケージを選択するメリットは少ないを考えます。
「ノア」のエクステリアは、シンプルなノーマルモデルとフロントグリルが強調されたエアロモデルの2モデルが設定されており、最大の違いはフロントフェイスです。
メッキ加飾が少ないノーマルモデルに対して、エアロモデルはフロントグリルやバンパーなどメッキ加飾が多く採用されており、フロントグリルの一部がボディカラー同色となっているノーマルモデルに対して、エアロモデルはブラック塗装となっていることで大きく印象が異なります。
アルミホイールにも違いがあり、特にエアロモデルの最上位グレード「S-Z」は切削光輝+ブラック塗装となっているため、シンプルなデザインのノーマルモデルとは大きく異なります。
これはあくまで個人的な感想ですが、「ノア」ノーマルモデルのアルミホイールは少し地味な印象を受けました。
下位グレードならともかく最上位グレードの「Z」は切削光輝にするなど、もう少しオシャレにしてほしかったところです。
「ヴォクシー」のエクステリアは、「ノア」エアロモデルよりさらに強調されたフロントグリルが特徴的で、グリルは艶あり塗装やメッキ加飾により「ノア」エアロモデル以上に質感高い印象があります。
また、「ノア」と異なりLEDヘッドランプとLEDクリアランスランプが上下に分かれており、フロントグリル左右下側に薄暮灯が設置されていることも大きな違いです。
「ノア」ノーマルモデル最上位グレードの「Z」とエアロモデルなら標準装備されるLEDフロントフォグランプが「ヴォクシー」には設定されない違いもあります。
アルミホイールのデザインは「ノア」エアロモデルと「ヴォクシー」に違いはありませんが、ブラック塗装やミディアムグレーメタリック塗装、ダークグレーメタリック塗装となっていることで、「ノア」よりシックな印象となっています。
ちなみに、「ノア」ノーマルモデル・エアロモデル、「ヴォクシー」のいずれも、最上位グレードであればドアベルトモールディングがブラックからステンレスとなるため、僅かに質感が向上します。
また、「ノア」と「ヴォクシー」のエクステリアは、トヨタの上位モデルである「クラウン」や「アルファード」、「ハリアー」などと同じ「セルフリストアリングコート」が全車に設定されています。
「セルフリストアリングコート」は、ボディに付いた小さな傷を自然復元するもので、新車時から5~8年もの長い期間効果が持続する優れものです。
高級車と同じ傷が付きにくい塗装となっている点は「ノア」・「ヴォクシー」の魅力といえます。
上記のとおり、エクステリアは「ノア」のエアロモデルと「ヴォクシー」の質感が高く、特にフロントフェイスの質感が高くなっています。
デザイン的にも「ノア」・「ヴォクシー」の方が先進的な印象が強くなっています。
インテリア・居住性・ラゲッジスペースの比較
インテリアの比較
■シエンタ(Z・フロマージュ)
■トヨタ「ノア Z(7人乗り)」
■トヨタ「ヴォクシー HYBRID S-G(7人乗り)」
「シエンタ」と「ノア」・「ヴォクシー」のインテリアを比較してみましょう。
「シエンタ」のインテリアは、水平貴重なインパネデザイン、ドアポケットやエアコン吹き出し口など新型「シエンタ」のコンセプトでもある“シカクマル”の形状で統一されていることが特徴です。
また、エクステリアもそうですが、フロントドアポケットのピクトグラムなど“ツール感”も強調されています。
ディスプレイオーディオは最大10.5インチ、メーターは7.0インチカラーマルチインフォメーションディスプレイ+オプティトロンメーターとなっています。
「シエンタ」のインテリアの質感は、最上位グレードであれば設定されるインパネ各所のファブリック加飾、ドアアームレストのファブリック加飾により、上質ではありませんがそこまで廉価な印象はなく、落ち着くリビングの様な印象を受けました。
一方、中間グレード以下では、ウレタンのステアリングホイール、樹脂感のあるインパネやドアトリム等よりプラスチッキーな印象があり、シート表皮もファブリックであることは共通ながら、最上位グレードとは質感差がある印象を受けました。
筆者が試乗した中間グレードが、ファンツールパッケージの設定された内装色カーキのクルマだったため、より廉価な印象を受けた可能性もあります。
「ノア」と「ヴォクシー」のインテリアは、昨今のトヨタ新型車同様、非常にシンプルなデザインで、質感高くなっています。
ディスプレイオーディオは最大10.5インチ、メーターは7.0インチカラーマルチインフォメーションディスプレイ+オプティトロンメーターとなっており、形状等が若干異なるものの「シエンタ」と概ね同じ装備内容となっています。
シフトノブは、中間グレード以降のハイブリッド車に安全装備「アドバンストパーク」を設定すると、従来のガソリン車同様の装備から先進的な「エレクトロシフトマチック」に変更されます。
この点も「シエンタ」と同じです。
「アクア」などハイブリッド車特有の操作方法となるため、操作感は標準装備のシフトノブの方が優れている印象がありますが、慣れの問題かと思います。
「ノア」・「ヴォクシー」のインパネは、ディスプレイオーディオ周りが艶有りブラックとなっており、助手席前が中間グレード以降であれば合成皮革巻き、フロントドアアームレストはソフトレザーとなっているなど、中間グレードから比較的質感高くなっています。
シート表皮は、中間グレードに設定されている上級ファブリックが絨毯のような触り心地で一般的なファブリックより上質になっており、シート側面や背面が革製になっているなど比較的上質になっています。
最上位グレードであればシート表皮が上級ファブリックから合成皮革に、ドアトリムがソフトレザーになるなど、さらに質感高くなりますが、大きな違いはシート表皮とメーター程度で、中間グレードでも満足できるユーザーが多いだろうと考えます。
最上位グレードと中間グレードはインサイドドアハンドルやインパネアッパーオーナメントの違いもありますが、最上位グレードに設定されるシルバー塗装のインサイドドアハンドルは質感が低い印象があるため、中間グレードとの質感差がほとんどなく、インパネアッパーオーナメントも触らなければ違いが分からないレベルです。
そのため、最上位グレード(S-Z、Z)と中間グレード(S-G、G)の質感差はそこまで大きくない印象です。
最上位グレードと中間グレードの質感差が大きい「シエンタ」に対して、「ノア」・「ヴォクシー」は非常に限定的です。
この点は「ノア」・「ヴォクシー」の良い点といえるでしょう。
上記のとおり、インテリアの質感は上位モデルである「ノア」・「ヴォクシー」の方が上質です。
「ノア」・「ヴォクシー」には、手触りの良い合成皮革やソフトレザーを多く用いられていることが最大の違いです。
「シエンタ」の最上位グレードとは質感差が限定的な印象ですが、「シエンタ」の中間グレード以下とは質感差が非常に大きくなるため、質感を少しでも気にする方は「ノア」・「ヴォクシー」、または「シエンタ」の最上位グレードを選択するようにしましょう。
車内の広さ・ラゲッジスペースの広さの比較
■シエンタ(Z・フロマージュ)
■シエンタ(G・カーキ)
■トヨタ「ノア Z(7人乗り)」
■トヨタ「ノア G(8人乗り)」
■トヨタ「ヴォクシー HYBRID S-G(7人乗り)」
「シエンタ」と「ノア」・「ヴォクシー」の車内の広さ、ラゲッジスペースの広さを比較してみましょう。
室内長の比較
「シエンタ」:2,545mm(5人乗り車は2,030mm)
「ノア」・「ヴォクシー」:2,805mm
室内長は「ノア」・「ヴォクシー」が最大で+26.0cm広い。
室内幅の比較
「シエンタ」:1,530mm
「ノア」・「ヴォクシー」:1,470mm
室内幅は「シエンタ」が+6.0cm広い。
室内高の比較
「シエンタ」:1,300mm
「ノア」・「ヴォクシー」:1,405mm
室内高は「ノア」・「ヴォクシー」の方が+10.5cm高い。
ラゲッジスペースの比較
「シエンタ」:157ℓ(5人乗り車は449ℓ)
「ノア」・「ヴォクシー」:298ℓ
ラゲッジスペースは「ノア」・「ヴォクシー」が+141ℓ広い
車内の広さ比較 まとめ
車内の広さは、室内幅を除き「ノア」・「ヴォクシー」が広くなっています。
実際の広さと数値が異なっているケースも多くありますが、「シエンタ」と「ノア」・「ヴォクシー」の場合は、数値どおり「ノア」・「ヴォクシー」の方が圧倒的に広くなっています。
2列目足元スペース、3列目足元スペース、頭上スペースのいずれも圧倒的に「ノア」・「ヴォクシー」の方が広いです。
特に「シエンタ」の3列目は、2列目を1番後ろまでスライドさせた状態だと、3列目の足元スペース(膝前スペース)は完全になくなってしまい、大人だけでなく子どもすら乗車できません。
2列目を1番前までスライドさせた場合、膝前に拳1つ分程度の余裕ができる広さですが、3列目の長時間乗車は子どもでも厳しいといえるでしょう。
そのため、3列目を頻繁に使用する機会があるなら、「ノア」・「ヴォクシー」1択といえます。
「シエンタ」の2列目は、先代よりも足元スペースは8cm、頭上スペースは2.5cm広くなっており、コンパクトカーやSUVと比較すると広いといえます。
とはいえ、足を伸ばして座れる「ノア」・「ヴォクシー」とは比較になりません。
ラゲッジスペースは、大容量のデッキアンダートレイや6つあるユーテリティホールなど、使い勝手も優れた「シエンタ」ですが、広さは3列目格納前も格納後のいずれも「ノア」・「ヴォクシー」が圧倒しています。
自転車などの大きい荷物の積載も楽で、車中泊に使用する場合でも「ノア」・「ヴォクシー」が勝るでしょう。
また、「ノア」・「ヴォクシー」は3列目を片手ワンタッチで格納、及び展開が可能な点は大きな魅力です。
ロック操作も固定バンドなども必要ないため非常に楽で、リヤクォーターガラスにすっぽり収まるため、3列目格納時も出っ張りが少なく邪魔にならない魅力があります。
「シエンタ」は3列目を2列目下に格納するため、3列目の操作が「ノア」・「ヴォクシー」より2ステップ程度多くなっています。
上記から、5人以上乗車する機会が多いユーザーには「ノア」・「ヴォクシー」がおすすめだといえるでしょう。
逆に、5人以上乗車する機会がなく、自転車など大きい荷物を積載する機会がない場合は、「シエンタ」でも十分な広いと考えます。
ちなみに「シエンタ」の2列目は、7人乗り車と5人乗り車で若干仕様が異なり、7人乗り車は前後スライドとリクライニングがそれぞれ可能ですが、5人乗り車はリクライニングと連動してシートが前後にスライドする形となっており、“スライド操作だけ行うのは無理”な仕様となっています。
「シエンタ」の5人乗り車と7人乗り車の2列目の広さは、試乗した印象では5人乗り車の方が僅かに足元スペースが広いと感じました。
また、7人乗り車だと2列目と荷室の間に隙間ができてしまうデメリットがありますが、5人乗り車にはありません。
そのため、荷室は7人乗り車より5人乗り車の方が広く、使いやすいといえるでしょう。
「ノア」・「ヴォクシー」の8人乗り車のメリットについても触れておきます。
8人乗り車2列目の魅力は、上の写真のとおりチップアップ機構により、2列目を7人乗り車よりさらに前にすることができるため、ラゲッジスペースをより広く使える魅力があります。
※後方へのスライド量は7人乗り車より劣る
また、7人乗り車の場合、2列目シートバックを倒してフラットにした際、座席間に隙間ができるのに対して、8人乗り車は隙間ができません。
そのため、車中泊をする際は7人乗り車より利便性や快適性が高いといえるでしょう。
その他、5人家族(親2人+子ども3人)の場合、1人だけ3列目に座らさせる形となってしまいますが、8人乗り車であれば、2列目までに全員座ることができます。
お子さんが2人の場合でも、親1人とお子さん2人が2列目に一緒に座ることもできます。
オットマンや折りたたみ式サイドテーブルが設定できないなど、装備面で劣る点はあるものの、車中泊や2列目に多くの方が乗車したい場合は、7人乗り車ではなく、あえて8人乗り車を選択するメリットがあるといえるでしょう。
一般的に8人乗り車より7人乗り車が上位グレードに設定されることが多く、人気も7人乗り車の方が高い傾向にありますが、全てのユーザーにとって7人乗り車が正解というわけではありません。
クルマの使い方によって、どちらが良いか見極めましょう。
ドライビング装備・快適装備の比較
■シエンタ(Z・フロマージュ)
■トヨタ「ノア S-G(7人乗り)」
■トヨタ「ノア Z(7人乗り)」
■トヨタ「ヴォクシー S-Z(7人乗り)」
「シエンタ」と「ノア」・「ヴォクシー」の快適装備を比較してみましょう。
「ノア」・「ヴォクシー」には、「シエンタ」には無い以下の装備が搭載されています。
- 電動パーキングブレーキ
- ブレーキホールド
- ユニバーサルステップ
- 2列目キャプテンシート、超ロングスライド
- 2列目シートヒーター
- 2列目オットマン
- 2列目折りたたみ式サイドテーブル
- リヤオートエアコン
- バックドアイージークローザー
- フリーストップバックドア
- パワーバックドア
上記のいずれも非常に利便性や快適性を向上させる装備となっており、結論から言うと利便性・快適性は「ノア」・「ヴォクシー」の圧勝です。
「ノア」・「ヴォクシー」の7人乗り車2列目は、従来と異なりシートを一旦横にスライドさせることなく、スライド量745mmと超ロングスライドさせることができる点が魅力です。
また、最上位グレードに「快適利便パッケージ(High)」を設定すれば、同クラスミニバン初となるオットマンやシートヒーター、折りたたみ式大型サイドテーブルが設定できることも大きな魅力です。
2列目の快適性は「アルファード」並で、シートヒーターを設定できる点では「アルファード」の下位グレードより快適性は高いといえなくもありません。
折りたたみ式大型サイドテーブルには、カップホルダーが4個、充電用USB端子(タイプC)2個も設置されているため、2列目シートを後退させている状態でも使い勝手が優れています。
最上位グレードを除き7人乗りと8人乗りが選択できますが、上記のとおり7人乗り2列目の快適性は非常に優れているため、7人乗りの方が人気となっています。
2列目と3列目のウォークスルーが可能な点も、7人乗りの大きな魅力です。
一方、「ノア」・「ヴォクシー」の2列目乗り込み時に気になったのはステップ高の高さです。
ステップ高は標準だと40cm前後あり、小さな子どもや高齢の方、お子さんを抱っこした状態の大人などは段差が大きいため、車内に乗り込みにくい印象があります。
そこで魅力的なのが「ユニバーサルステップ」です。
「ユニバーサルステップ」は上の写真のとおり、スライドドアの開閉と連動してステップが展開、格納する仕組みになっており、電動ではない“からくり”により動作することも発売当時話題になりました。
「ユニバーサルステップ」によりステップ高は20cmと標準の半分程度になるため、非常に乗り込みやすく、かつ降りやすくなります。
同様の装備は他社のミニバンにも設定されていますが、電動となっていることから20万円前後と価格が高いことがネックとなっています。
「ユニバーサルステップ」は電動ではなく“からくり”となっていることから、3.3万円と価格が非常に安く設定されています。この点も非常に魅力的だといえるでしょう。
助手席側にしか設定できない点は少し残念だといえますが、個人的には、必須オプションだと考えます。
乗り降りのしやすさは段違いです。
その他、「ノア」と「ヴォクシー」の大きな魅力となるのが、「パワーバックドア」と「フリーストップバックドア」です。
「フリーストップバックドア」は、バックドア開閉時に任意の角度で保持できるを世界初採用となる装備で、車両後方にスペースがない場合でも、バックドアからの荷物の出し入れが簡単に行えるメリットがあります。
実際試してみましたが、バックドアを少し押すだけで角度を保持できるため、操作性は非常に優れています。
パワーバックドアは、今やコンパクトSUVにも採用が進んでいますが、バックドアが大きく重いミニバンこそ、その真価を発揮するといえます。
「ノア」・「ヴォクシー」は、車両側面両側にパワーバックドアスイッチが設置されていることにより、後ずさりすることなく使用可能で、任意の位置で停止が可能なため、狭い場所でも使い勝手が良くなっています。
パワースライドドア同様、予約ロック機能が搭載されているため、閉まるまで待つ必要もありません。
標準装備されているフリーストップバックドアも狭い場所で便利ではありますが、やはりパワーバックドアの方が利便性は非常に優れています。
そして、「ノア」・「ヴォクシー」の大きな魅力、というより「シエンタ」で非常に残念な点の1つとなるのが、電動パーキングブレーキが設定されていないことです。
邪魔になるレバー式ではなく足踏み式であるため、「ヤリス」より僅かにマシではありますが、「フィット」や「ノート」、そして「ルーミー」や軽自動車ですら電動パーキングブレーキが設定されていることを考慮すると、残念でなりません。
電動パーキングブレーキが搭載されていないため、発進時も駐車後もパーキングブレーキの操作は必ず必要になりますし、赤信号で停車中もブレーキペダルを踏み続ける必要があります。
電動パーキングブレーキが設定できないことは、「シエンタ」の明らかな欠点(デメリット)となります。
なくてもそんなに不便じゃないかなと思って試乗しましたが、普段電動パーキングブレーキを使用している筆者からしたら、非常に不便に感じました。
軽自動車を含め、今後発売される多くの新型車に電動パーキングブレーキが設定されることを考えると、購入後他車と比較して間違いなく見劣りすることになるでしょう。
燃費性能の比較
■シエンタ(G・アーバンカーキ・ファンツールパッケージ&sientaギアセット)
「シエンタ」と「ノア」・「ヴォクシー」の燃費性能を比較してみましょう。
燃費性能は、WLTCモード、ユーザーが投稿した実燃費を集計したe燃費の値にて比較します。
※実燃費は季節や使用環境により異なります。
※補足:WLTCモードとは
JC08モードはエンジンが温まった状態からの測定結果を75%、エンジンが冷えた状態からの測定結果を25%の比率で燃費を算出していました。WLTCモードでは、エンジンが冷えた状態からの測定結果のみを使用し、乗員や積載物の重量も考慮されることになり、これまでのJC08モードよりも実燃費値に近い条件となります。
- WLTCモード:市街地、郊外、高速道路の平均的な使用時間配分で構成した国際的な走行モード
- 市街地モード(WLTC-L):信号や渋滞等の影響を受ける比較的低速な走行を想定
- 郊外モード(WLTC-M):信号や渋滞等の影響をあまり受けない走行を想定
- 高速道路モード(WLTC-H):高速道路等での走行を想定
・シエンタ
・1.5Lガソリン
→18.4km/L(WLTCモード)
→15.51km/L(e燃費より)
・1.5Lハイブリッド(2WD)
→28.8km/L(WLTCモード)
→24.50km/L(e燃費より)
・ノア、ヴォクシー
・2.0Lガソリン ※2WD
→15.0km/L(WLTCモード)
→12.90km/L(e燃費より)
・1.8Lハイブリッド ※2WD
→23.0km/L(WLTCモード)
→20.67km/L(e燃費より)
燃費性能を比較すると、ハイブリッド車もガソリン車も「シエンタ」が優れています。
車両重量が軽いため当然ではありますが、その差は3.0km/L~5.0km/Lと大きくなっています。
実燃費は、使用環境やサンプル数によって異なるため、あくまで参考値ですが、「シエンタ」のハイブリッド車は24.0km/Lを、ガソリン車は14.0km/Lを超えることは難しくなさそうです。
「シエンタ」の燃費性能は、同トヨタの「ヤリスクロス」に近い性能となっており、ハイブリッド車であれば郊外で30.0km/Lを超えることも難しくないでしょう。
ちなみに、筆者はトヨタのハイブリッド車に乗っていますが、「シエンタ」より劣る燃費性能(WLTCモード:25.6km/L)ながら、郊外なら30.0km/Lを超えることはしょっちゅうで、40.0km/Lを超えることも珍しくありません。
さらに、自動車税も年5,500円安いため、維持費の安さでは「シエンタ」の圧勝です。
では、年間走行距離8,000km、ガソリン代160円で維持費を試算してみましょう。
■シエンタ(ハイブリッド車)
- ガソリン代:52,245円
- 自動車税:30,500円
- 合計:82,745円
■シエンタ(ガソリン車)
- ガソリン代:82,527円
- 自動車税:30,500円
- 合計:113,027円
■ノア/ヴォクシー(ハイブリッド車)
- ガソリン代:61,925円
- 自動車税:36,000円
- 合計:97,925円
■ノア/ヴォクシー(ガソリン車)
- ガソリン代:99,225円
- 自動車税:36,000円
- 合計:135,225円
維持費が最も安いのは、燃費性能が最も優れた「シエンタ」のハイブリッド車となっています。
ガソリン代が唯一5万円台、維持費合計が唯一9万円を下回る結果となっています。
昨今の様なガソリン代高騰時は、燃費性能の良さがより顕著に感じられますね。
維持費を抑えたいなら「シエンタ」のハイブリッド車1択といえるでしょう。
加速性能の比較
■トヨタ「ヴォクシー HYBRID S-G(7人乗り)」
「シエンタ」と「ノア」・「ヴォクシー」の加速性能を比較してみましょう。
その前に「出力」と「トルク」の違いについて、簡単に説明します。
- 出力:クルマの速さ
- トルク:クルマの加速力
簡単に書くと、「最高出力」の値が高い車は速く走れる車で、「最大トルク」の値が高い車は加速が速い車ということですね。ただ、エンジンやモーターの特性、空力性能や車両重量などにより加速性能は全く異なりますので、単に”トルクの値が大きいから加速が速い”というわけではありません。
・シエンタ
・1.5Lガソリン
→最高出力 88kW〈120PS〉/6,600rpm
→最大トルク 145N・m〈14.8kgf・m〉/4,800~5,200rpm
・1.5Lハイブリッド
エンジン
→最高出力 67kW〈91PS〉/5,500rpm
→最大トルク 120N・m〈12.2kgf・m〉/3,800~4,800rpm
フロントモーター
→最高出力 59kW〈80PS〉
→最大トルク 141N・m〈14.4kgf・m〉
リヤモーター
→最高出力 2.2kW〈3.0PS〉
→最大トルク 44N・m〈4.5kgf・m〉
→システム最高出力 85kW〈116PS〉
・ノア、ヴォクシー
・2.0Lガソリン
→最高出力 125kW〈170PS〉/6,600rpm
→最大トルク 202N・m〈20.6kgf・m〉/4,900rpm
・1.8Lハイブリッド
エンジン
→最高出力 72kW〈98PS〉/5,200rpm
→最大トルク 142N・m〈14.5kgf・m〉/3,600rpm
フロントモーター
→最高出力 70kW〈95PS〉
→最大トルク 185N・m〈18.9kgf・m〉
リヤモーター
→最高出力 30kW〈41PS〉
→最大トルク 84N・m〈8.6kgf・m〉
→システム最高出力 103kW〈140PS〉
「加速性能」を比較すると、「ノア」・「ヴォクシー」が優秀です。
「シエンタ」は、ハイブリッド車・ガソリン車ともに先代より加速性能が大きく向上しており、非常に軽やかに加速してくれます。
先代「シエンタ」は比較的加速が遅い部類に入り、加速性能に不満がある方も少なからずいたかと思いますが、新型「シエンタ」なら街中で不満を感じることは少ないでしょう。
とはいえ、「ノア」・「ヴォクシー」と比較すると、ハイブリッド車との差は限定的なものの、ガソリン車と比較すると加速性能は劣ります。
「ノア」・「ヴォクシー」の1.8Lハイブリッド車は、先代の加速が重い印象とは異なり、発進から軽やかに加速してくれるため、街乗りでは十分の加速性能となっています。
車両重量が重く、空力性能が低いミニバンながら、感覚的にはハッチバックような軽やかさだと感じました。
また、追い越し時や登坂時はパワーモードにすることで、鋭い加速性能を発揮してくれます。
上記のとおり、先代より改善された加速性能ですが、急な上り坂だとエンジンが唸ってパワー不足な印象で、ライバルである日産「セレナ e-POWER」やホンダ「ステップワゴン e:HEV」と比較すると、加速性能は大きく劣ります。
一方、「ノア」・「ヴォクシー」のガソリン車は、10速シーケンシャルシフトマチックが搭載されていることもあって、加速時はCVTというよりATに近い変速感を味わえ、ハイブリッド車以上に走りが面白い印象があります。
Direct Shift-CVTにより、発進加速や中間加速も優れており、加速性能はハイブリッド車より優れていると感じました。
感覚的にはホンダ「ステップワゴン」の1.5Lターボ車に近い印象があります。
あくまで参考値ですが、0-100km/h加速はハイブリッド車が10秒前後、ガソリン車が9秒前後と、ガソリン車の方が1秒程度速くなっています。
以上から、“走り”を重視するなら「ノア」・「ヴォクシー」の2.0Lガソリン車がおすすめだと考えます。
「ノア」・「ヴォクシー」の1.8Lハイブリッド車は新世代ハイブリッドシステムを搭載したということもあって期待していた分、少し残念な印象でしたが、特別期待していなかった2.0Lガソリン車の加速性能には驚きました。
安全性能の比較
■トヨタ「ヴォクシー HYBRID S-G(7人乗り)」
「シエンタ」と「ノア」・「ヴォクシー」の安全性能を比較してみましょう。
下表に各車の安全装備を整理しています。同機能の装備を同行に示しています。
ノア・ヴォクシー | シエンタ |
プリクラッシュセーフティ[交差点右左折支援・低速時加速抑制機能・緊急時操操舵支援] | プリクラッシュセーフティ[交差点右左折支援・低速時加速抑制機能・緊急時操操舵支援] |
パーキングサポートブレーキ(後方接近車両・前後方静止物、周囲静止物、後方歩行者) | パーキングサポートブレーキ(後方接近車両・前後方静止物、周囲静止物、後方歩行者) |
プロアクティブドライビングアシスト | プロアクティブドライビングアシスト |
緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付) | - |
フロントクロストラフィックアラート | - |
安心降車アシスト(ドアオープン制御付) | - |
レーンディパーチャーアラート | レーンディパーチャーアラート |
レーントレーシングアシスト | レーントレーシングアシスト |
ブラインドスポットモニター | ブラインドスポットモニター |
レーダークルーズコントロール(全車速追従機能・カーブ速度抑制機能付) | レーダークルーズコントロール(全車速追従機能・カーブ速度抑制機能付) |
ドライバー異常時対応システム | ドライバー異常時対応システム |
発進遅れ告知機能 | 発進遅れ告知機能 |
ロードサインアシスト | ロードサインアシスト |
オートマチックハイビーム | オートマチックハイビーム |
アダプティブハイビームシステム | - |
パノラミックビューモニター(床下透過表示機能付) | パノラミックビューモニター(床下透過表示機能付) |
トヨタチームメイト アドバンスト パーク(リモート機能付) | トヨタチームメイト アドバンスト パーク |
トヨタチームメイト アドバンスト ドライブ | - |
レーンチェンジアシスト | - |
- | ドライブレコーダー(前後方) |
プラスサポート(急アクセル時加速抑制) | プラスサポート(急アクセル時加速抑制) |
防眩インナーミラー | 防眩インナーミラー |
「シエンタ」も非常に先進的、かつ優れた安全性能を誇りますが、1クラス上の「ノア」・「ヴォクシー」がさらに優れています。
具体的には、以下の点で優れています。
- 緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付)
自車線内に回避スペースがある場合、システムが回避操舵を行い、衝突を回避する - フロントクロストラフィックアラート
交差点に進入する際、車両前方左右から接近する車両をレーダーで検知してブザー音とディスプレイ表示で警告する - 安心降車アシスト(ドアオープン制御付)
後方から接近する車両や自転車を検知して、降車乗員と衝突する危険性がある場合、ドアミラーインジケーターの点滅、パワースライドドアの一時停止、ブザー音での警告、ディスプレイ表示などが行われる - トヨタ チームメイト[アドバンストパーク]
スマートフォンの操作による駐車および出庫が可能なリモート機能 - トヨタ チームメイト[アドバンストドライブ]
40km/h以下で自動車専用道路ならハンズオフ走行が可能、停車後再発進もドライバーの操作は不要 - レーンチェンジアシスト
自動車専用道路で方向指示器を操作すると、ハンドル操作をシステムがアシスト - アダプティブハイビームシステム
先行車や対向車を部分的に遮光する先進ライト
「ノア」・「ヴォクシー」の安全装備の中でも、ハンズオフ走行が可能な「アドバンストドライブ」、自動駐車機能「アドバンストパーク」のリモート機能が注目の安全装備といえるでしょう。
「アドバンストパーク」は初期設定がスムーズ(ほとんど不要)で、非常に実用的な装備となっており、リモート機能はスマートフォンで駐車できるだけでなく、パーキングブレーキをかけたり、ドアロックまで行えるようになっています。
一方、リモート機能は出庫を除き事前に車内での設定が必要なため、車外から完全リモート操作できるわけではありません。
実際使用しているところを確認してみましたが、上手く操作できず結局乗り込んで駐車する結果となっており、まだまだ発展途上な印象です。
そのため、実際利用できるシーンは出庫程度だといえます。
また、「アドバンストドライブ」は自動車専用道路で自車速度が40km/h以下と使えるシーンが非常に限定的となっています。
上記のとおり、「アドバンストドライブ」と「アドバンストパーク」は非常に先進的なものの、中心となる安全装備ではないと考えます。
「ノア」・「ヴォクシー」の安全性能で最もすごいところは、自動ブレーキなど基本的な装備の性能が高い点にあります。
まず、「ノア」・「ヴォクシー」は衝突を回避する技術が優れており、その目玉となる機能が「緊急時操舵支援」です。
「緊急時操舵支援」は「シエンタ」に搭載されている「緊急時操舵支援機能」とは異なり、歩行者や車両と接触する恐れがある際、ドライバーによる回避操作がなくても、システムが回避操舵を行い、さらに車線逸脱を抑制する装備となっています。
従来との最大の違いは、何と言っても“システムが回避操舵を行う”部分にあります。
従来は回避操舵はドライバーが行う前提で、システムは回避操舵をアシストするにとどまっていたため、より安全性が向上した形になります。
簡単に言えば、クルマがブレーキもステアリングも自動的に制御して、衝突を回避してくれるわけですね。
小さいお子さんがいるユーザーに安心なのが「安心降車アシスト」でしょう。
「安心降車アシスト」は、「ブラインドスポットモニター」のセンサーを活用し後方から接近する車両や自転車を検知して、降車乗員と衝突する危険性がある場合、ドアミラーインジケーターの点滅、パワースライドドアの一時停止、ブザー音での警告、ディスプレイ表示などが行われる機能です。
これにより、降車時の事故を防ぐことにつながります。
また、接触する危険性を“もっと手前で”防いでくれる装備として、「フロントクロストラフィックアラート」により、交差点など前方左右の死角から接近してくる車両をレーダーで検知してブザー音とディスプレイ表示で警告してくれます。
上記のとおり、「ノア」・「ヴォクシー」は非常に高い安全性能を誇りますが、前述のとおり「シエンタ」も非常に先進的、かつ優れた安全性能を誇り、基本的な自動ブレーキなどの性能差はありません。
また、「アドバンストドライブ」と「ブラインドスポットモニター」と「緊急時操舵支援+フロントクロストラフィックアラート」、「アドバンストパーク」と「パノラミックビューモニター」と「パーキングサポートブレーキ(後方歩行者)」など、各種安全装備がセットオプション設定となっている点は大きな欠点といえます。
「アドバンストドライブ」のセットは約13.5万円、「アドバンストパーク」のセットは中間グレードガソリン車で11万円、中間グレードハイブリッド車で14.3万円、最上位グレードガソリン車で約9.4万円、最上位グレードハイブリッド車で約12.7万円と非常に高価です。
特に、従来からある「ブラインドスポットモニター」や「パノラミックビューモニター」だけ設定したいと考えるユーザーにとっては、元々3~7万円程度で設定できる装備だっただけに価格が上昇した印象があります。
セットオプションにより付けたい装備が付けにくい設定となっているため、今後の改良でできればバラで設定できるようにしてほしいところです。
価格の比較
■HYBRID G(5人乗り・アーバンカーキ・ファンツールパッケージ&sientaギアセット)
「シエンタ」と「ノア」・「ヴォクシー」の価格を比較してみましょう。
シエンタのおすすめグレード&価格
「シエンタ」のおすすめグレードは、ガソリン車なら「Z」(約265万円)、ハイブリッド車なら「HYBRID Z」(約300万円)が最もおすすめです。
※上記はいずれも5人乗り車の価格。7人乗り車は+4万円程度。
5人乗り or 7人乗りは、家族構成や5人以上乗車する機会があるかないかで異なるかと思います。
3列目は子どもでも長時間乗車は厳しいため、あくまで補助席的な扱いです。
7人乗りだと2列目を倒した時に“隙間”ができてしまうため、フラットにしたときの荷室の使い勝手は5人乗りの方が優れています。
5人乗りは2列目のスライドができないものの、リクライニングと連動して座面がスライドするようになっています。
それが要因かは不明ですが、7人乗りより2列目足元スペースが少し広い印象があります。
上記より、5人以上乗車する機会がない場合は、5人乗り車が最もおすすめだと考えます。
各グレードの違い、おすすめグレードの詳細は、以下の記事にまとめています。
オプションにアルミホイール、ドライブレコーダー、天井サーキュレーター、アクセサリーコンセント(ハイブリッド車のみ)、ディスプレイオーディオPlus(Gのみ)を設定すると、「Z」の価格は約280万円、「HYBRID Z」の価格は約319万円となります。
※上記の価格は税金などの諸費用を足していません。諸費用を足すと+15万円程度の価格になります。
「ノア」・「ヴォクシー」のおすすめグレード&価格
「ノア」・「ヴォクシー」のおすすめグレードは、ガソリン車なら「S-G」(ノア約304万円、ヴォクシー約309万円)、ハイブリッド車なら「HYBRID S-G」(ノア約339万円、ヴォクシー約344万円)がおすすめです。
最上位グレード(S-Z、Z)と中間グレード(S-G、G)の最大の違いは、パワーバックドアとオットマンの設定でしょう。
中間グレードは快適利便パッケージにパワーバックドアとオットマンが含まれていないため、これらの装備を絶対設定したい方には最上位グレードがおすすめだと考えます。
ただ、快適利便パッケージの価格は、キック動作でスライドドアが開閉するハンズフリーデュアルパワースライドドア、ナノイーXなどとセットで、ハイブリッド車が約14.9万円、ガソリン車が約15.2万円と、かなり高価です。
グレード間の価格差が27万円前後あることを考慮すると、価格は高くなる一方です。
上記より、予算に余裕がある方には質感や快適性が最も優れた最上位グレード(S-Z、Z)がおすすめではありますが、予算が限らている方には中間グレード(S-G、G)が最もおすすめだと考えます。
各グレードの違い、おすすめグレードの詳細は、以下の記事にまとめています。
オプションに、ディスプレイオーディオPlus(10.5インチナビ、CD・DVDデッキ、ETC2.0ユニット、Gならバックガイドモニターなど)、ユニバーサルステップ、デュアルスライドドア、ハイブリッド車ならアクセサリーコンセント+インパネ一体型センターコンソールボックスを設定すると、「S-G」の価格はノアが約336万円、ヴォクシーが約341万円、「HYBRID S-G」の価格はノアが約376万円、ヴォクシーが約381万円となります。
※上記の価格は税金などの諸費用を足していません。諸費用を足すと+15~25万円程度の価格になります。
価格比較 結果
上記金額を比較すると、「シエンタ」は「ノア」・「ヴォクシー」より60万円程度安いことが分かります。
維持費は「シエンタ」の方が優れていたため、維持費を含めて考えても「シエンタ」が安くなるでしょう。
「ノア」・「ヴォクシー」は、中間グレード、かつ設定するオプションから先進安全装備を外すなどして上記の結果なので、選択によっては価格差はより拡大することになります。
そのため、予算が300万円前後という場合は、「シエンタ」1択といえるでしょう。
では、価格の安いガソリン車と燃費性能の優れたハイブリッド車のどちらが安くなるのか。
年間走行距離が8,000km程度なら、「ノア」・「ヴォクシー」が5年程度で、「シエンタ」が10年程度で価格差を回収できる可能性があります。
リセールバリューも考慮すれば、間違いなくハイブリッド車の方が安くなるでしょう。
走りの面白さや中間加速など、ガソリン車の方が“走り”の点で魅力的な部分はありますが、価格を考慮すると総合的にハイブリッド車の方が魅力的だと考えます。
いずれにしても、全込み300万円以上、「ノア」・「ヴォクシー」なら450万円以上する価格となる場合もありますので、決して安いクルマではありません。
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車は基本的に新車で買うもの!私はずっとそう考えていました。
しかし、新古車・未使用車や走行距離1,000km程度の車は新車同様です。
さらに、モノによっては普通に新車を買う場合より60万円以上安く買えるケースも多数あります!
上記を考えると、新車購入を検討中の方は“新車同様の中古車を探してみる”という選択肢も大いにありだと思いませんか?!
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■中古車のメリット、デメリット
“新車同様の中古車”を買う場合のメリットは何といってもその「安さ」が魅力ですが、デメリットは「自分の付けたいオプションが選べない」という点でしょう。
ただし、上記はメーカーオプションの場合のみで、ディーラーオプションの場合は後付けも可能です。
そのため、中古車を選ぶ際は車のカラー及びメーカーオプションを妥協しないようにしましょう。
■中古車を買うなら中古車販売台数トップクラスのガリバーがおすすめ!
中古車を買うなら、中古車販売台数トップクラスのガリバーがおすすめです。
中古車業界の最大手で、知名度も高く、信頼性が高いため安心です。
さらに、ガリバーは以下のメリットもあります。
- 修復歴車(事故車、事故歴ありの車)を販売していない
- 納車後、100日以内であれば返品可能
- ディーラーより長い10年保証(走行距離無制限、ハイブリッドカーのバッテリーなども保証)
ガリバーによると、修復歴車の約4割(39.4%)の車で何らかの故障が発生していたため、修復歴車の販売をやめたようです。そんな修復歴車を販売していないので、故障が発生するリスクが低いともいえますね。
特に驚きなのが、100日以内であれば返品可能というところではないでしょうか。これなら、仮に購入した車に問題があった場合や、急に車の使用シーンが大きく変わっても安心ですよね。
その他、ディーラーよりも長い10年保証というのも心強いです。ハイブリッドカーのバッテリーなども保証対象なのでさらに安心です。走行距離が何kmでも保証対象です。
■中古車は早いもの勝ち!非公開在庫もある!
中古車は基本的に1台限りのものですので、良い車も早く問い合せしないと売れてしまう可能性があります。
また、ガリバーでは毎日約500台の車を買取しており、まだネット上で公開されていない車(非公開在庫)もたくさんあります。
ガリバー 公式サイトに登録すれば、自分で検索するだけでは見つけられない”あなたに最適な車”をガリバーが探し出してくれます。さらに「非公開在庫」も優先的に紹介してもらえます。
気になった車、欲しい車がある方はガリバーに登録して探してもらいましょう!
※中古車の販売金額は申込完了ページには表示されません。登録後、ガリバーから電話がかかってくるので、そこで詳しい話を聞いてみましょう。
まとめ
今回は、トヨタ「シエンタ」と、トヨタ「ノア」・「ヴォクシー」を徹底比較してみました。
「シエンタ」と「ノア」・「ヴォクシー」の比較結果を以下にまとめてみました。
- 運転のしやすさ:「シエンタ」の方が取り回しが良い
- エクステリアやインテリアの質感:「ノア」・「ヴォクシー」が上質
- 車内の広さ:2列目、3列目、ラゲッジスペースのいずれも「ノア」・「ヴォクシー」が広い
- 快適装備:利便性、快適性ともに「ノア」・「ヴォクシー」の圧勝
- 燃費性能:「シエンタ」が優秀
- 加速性能:「ノア」・「ヴォクシー」が優秀
- 安全性能:「ノア」・「ヴォクシー」が優秀
- 価格の安さ:「シエンタ」が60万円程度安い
上記のとおり、取り回し・燃費性能・価格を除き、性能面では全てにおいて「ノア」・「ヴォクシー」が勝る結果となりました。
「ノア」・「ヴォクシー」は、安全性能が高いスバル「レヴォーグ」と比較しても遜色ないトップクラスの安全性能、不満のない加速性能、優れた広さと快適性を備えた室内、比較的質感高い内外装と、欠点の少ない非常に優れたミニバンとなっています。
一方、セットオプションによる価格の高さが欠点で、「シエンタ」と比較すると価格差が非常に大きくなります。
「シエンタ」は、2022年時点で安全性能がトップクラスの「ノア」・「ヴォクシー」に近い先進安全装備が搭載され、燃費性能がトップの「ヤリス」に迫る優れた燃費性能、そして軽自動車並に運転しやすいコンパクトなボディサイズが魅力です。
一方で、エクステリアが特徴的なため、先進的なデザインやシュッとしたデザインが好みな方にはおすすめできません。
また、3列目は依然として補助席的な広さで、子どもが街乗りで30分程度使用する程度しか活用方法はないため、5人以上乗車するケースがあるなら、やはり1クラス上の「ノア」・「ヴォクシー」には敵いません。
とはいえ、エクステリアの見た目と3列目の使用頻度が低いのであれば、今最もおすすめのコンパクトミニバンだといえるでしょう。
上記のとおり、予算があるなら間違いなく「ノア」・「ヴォクシー」がおすすめではありますが、価格を考慮すると「シエンタ」の方がコスパが高いともいえます。
性能差や価格差も大きいですが、エクステリアデザインも大きく異なるため、デザインの好みを重視した選択にしても良いと考えます。
クルマの購入で後悔しないためには、あなたが重視する項目は何なのか、よく確認しておくことが重要です。
売れているから何となく選んだ、燃費性能が良いから何となくハイブリッド車にした、などの安易なクルマ選びをしない様にしましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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