こんにちは!青空ひつじ(♂)です。
今回は、2021年4月22日にフルモデルチェンジが行われたホンダ「ヴェゼル」と、2021年11月1日に一部改良が行われたトヨタ「ライズ」&ダイハツ「ロッキー」の違いを、エクステリア・インテリア・運転のしやすさ・車内の広さ・加速性能・燃費性能・安全性能・価格など、各項目で徹底比較いたします。
同じコンパクトSUVで大人気の両車ですが、どっちを買うのがおすすめなのか!?
※掲載している「ヴェゼル」の写真は、「e:HEV Z」(プラチナホワイト・パール)です。
※掲載している「ライズ」の写真は「Z」(マスタードイエローマイカメタリック)、ダイハツ「ロッキー」の写真は「Premium G HEV」(ブラックマイカメタリック×スムースグレーマイカメタリック)、「Premium G」(シャイニングホワイトパール)です。
ボディサイズ・運転のしやすさ・エクステリアの比較
ボディサイズ・運転のしやすさ
ボディサイズについて、比較していきます。
・ヴェゼル
全長(mm):4,330
全幅(mm):1,790
全高(mm):1,580(e:HEV X・G)、1,590(e:HEV Z・PLaY)
ホイールベース(mm):2,610
車両重量(kg):1,250~1,450
最小回転半径(m):5.3(e:HEV X・G)、5.5(e:HEV Z・PLaY)
最低地上高(mm):185(e:HEV X・G[2WD])、170(e:HEV X・G[4WD])、195(e:HEV Z・PLaY[2WD])、180(e:HEV Z[4WD])
・ライズ&ロッキー
全長(mm):3,995
全幅(mm):1,695
全高(mm):1,620
ホイールベース(mm):2,525
車両重量(kg):970~1,070
最小回転半径(m):4.9(Zは5.0)
最低地上高(mm):185
■ヴェゼルも良いけど、小回りは「ライズ&ロッキー」の圧勝!
同じコンパクトSUVでもボディサイズは大きく異なります。
- 全長は「ヴェゼル」の方が33.5cm長い
- 全幅は「ヴェゼル」の方が9.5cm大きい
- 全高は「ライズ&ロッキー」の方が4.0cm大きい
- 車両重量は「ヴェゼル」の方が200kg以上重い
- 最小回転半径は「ヴェゼル」の方が40~60cm大きい
- 最低地上高は「ヴェゼル」の方が最大で1cm高い、ただし4WD車の場合は最大で1.5cm低い
全長の違いも大きいですが、“運転のしやすさ”においては全幅や最小回転半径の違いが大きいでしょう。
狭い道が多い日本では全幅1,700mm未満の5ナンバーサイズである「ライズ&ロッキー」の方が運転しやすく、最小回転半径が小さいため取り回しも良くなっています。
また、「ライズ&ロッキー」は視界も非常に良くなっています。
一方の「ヴェゼル」も、先代「ヴェゼル」同様アイポイントが高いため見晴らしが良く、さらに視界性能が非常に優れているため、先代「ヴェゼル」以上に運転しやすくなっています。
全幅は先代「ヴェゼル」より最大+2cm拡大していますが、全幅の拡大はそれほど気になりませんでした。
全幅の数値だけ見ると、1,800mmに近くあるため非常に大きい印象を受けますが、運転してみるとコンパクトカー「フィット」と同じ感覚で運転できます。
アイポイントが高いため、むしろ「ヴェゼル」の方が運転しやすい印象すら受けました。
そのため、運転が苦手な方にもおすすめできるSUVだといえるでしょう。
とはいえ、生活道路の様な狭い道や細い山道での運転のしやすさは、「ライズ&ロッキー」には敵いません。
そのため、運転にそこまで自信はないけどカッコいいSUVに乗りたい、取り回しの良いSUVに乗りたい、という方には「ライズ&ロッキー」の方がおすすめだといえるでしょう。
エクステリア
■ヴェゼル:「e:HEV Z」
■ライズ:「Z」、「ロッキー」:「Premium G HEV」
「ヴェゼル」のエクステリアデザインは賛否両論あると思いますが、個人的にはカッコいいと考えています。
ただ、“ホンダらしさ”は消えてしまった様な気はします。また、ボディカラーと同色のフロントグリルについては否定的です。
私の様にボディカラーと同色のフロントグリルに違和感を感じる方は、ボディカラーに「クリスタルブラック・パール」を選択することでフロントグリルが目立たなくなるため、おすすめです。
また、ディーラーオプションのフロントグリル(クロームメッキ)を設定することで、フロントグリルにアクセントがついてオシャレになるため、おすすめです。
「ヴェゼル」のエクステリアの質感は、「e:HEV Z」と「e:HEV PLaY」であれば、フロントロアグリル・ホイールアーチモール・センターピラー・リアバンパーなどがピアノブラック塗装が施されており、非常に質感高くなっています。
「e:HEV X」と「G」は、上記の部分が未塗装となっているため、「e:HEV Z」や「e:HEV PLaY」と比較すると質感は低めです。
とはいえ、他社のSUVもセンターピラーを除く部分は未塗装となっていることが多いため、「e:HEV X」と「G」の質感が低いというより、「e:HEV Z」と「e:HEV PLaY」の質感が高いと言った方が正しいかもしれません。
上記の他、「e:HEV Z」や「e:HEV PLaY」であれば、前後のバンパーロアガーニッシュがシャープシルバー塗装となっており、メッキ等のドアロアガーニッシュも施されています。
一方「ライズ&ロッキー」のエクステリアデザインは、「ライズ」は同じトヨタの「RAV4」と似た台形のようなフロントグリルとなっている一方、「ロッキー」はヘキサゴン型のフロントグリルとなっています。
どちらのデザインがカッコいいかはユーザーによって異なると思いますが、「ロッキー」のフロントグリルは、ハイブリッド車がガンメタリック塗装、ガソリン車がピアノブラック塗装となっているため、艶あり塗装となっていない「ライズ」より「ロッキー」の方が上質になっています。
両車ともにセンターピラーガーニッシュは艶あり塗装ではなく、ドアウィンドウフレームモールディングはメッキではなくブラックとなっているため、特別質感高い印象はありません。
ウィンドウフレームモールディングはディーラーオプションでメッキにすることもできますが、価格が3.3万円と高価な点がネックです。
リアは、LEDリヤコンビネーションランプと艶あり塗装となるバックドアガーニッシュが一直線につながったデザインとなっています。
※エントリーグレードは艶なしブラック塗装
上記のとおり、一部艶あり塗装により上質な部分もありますが、全体的に質感はBセグメントクラス標準といった印象です。
そのため、「ヴェゼル」やトヨタ「C-HR」と比較すると、質感では劣る形になります。
上記のとおり、最もエクステリアの質感が高いのは「ヴェゼル」の「e:HEV Z」・「e:HEV PLaY」でしょう。
エクステリアの質感で選ぶなら「ヴェゼル」がおすすめです。
ただし、「ヴェゼル」の「e:HEV X」・「G」と「ライズ&ロッキー」のエクステリアの質感に大きな差はないため、ガソリン車や同価格帯のグレードで比較した場合、引き分けといえるでしょう。
インテリア・後部座席・荷室の広さの比較
インテリア
■ヴェゼル:「e:HEV Z」
■「ロッキー」:「Premium G」
「ヴェゼル」のインテリアは、水平基調なデザインとなっており、先代「ヴェゼル」とはナビ(Honda CONNECTディスプレイ)やセンターコンソール、ドアアームレスト、インサイドドアハンドルの形状など、大きくデザインが変更されています。
「ヴェゼル」のインテリアの質感は、「e:HEV Z」と「e:HEV PLaY」であれば、シート表皮がコンビシート(プライムスムース&ファブリック)となり、本革巻ステアリングホイール、ピアノブラック調パワーウィンドウスイッチパネル、インパネやシフトノブ周辺に施されたシルバー加飾インテリアにより、質感高くなっています。
「e:HEV X」や「G」と比較すると、シート表皮やステアリングホイールはもちろんですが、シフトノブ周辺やドアトリムなどの質感差が大きくなっています。
あくまでイメージですが、「e:HEV Z」と「e:HEV PLaY」なら「C-HR」や「ハリアー」の様な質感になりますが、「e:HEV X」と「G」なら「ライズ&ロッキー」やトヨタ「ヤリスクロス」の様な質感になります。
そのため、少しでも質感を重視する方は「e:HEV Z」または「e:HEV PLaY」を選択した方が良いでしょう。
一方「ライズ&ロッキー」のインテリアは、SUVらしいフロントドアグリップが特徴的で、デジタルスピードメーターと7インチカラー液晶ディスプレイ、最大9インチのディスプレイオーディオまたはナビ、エアコンパネルと、シンプルなデザインになっています。
「ライズ」と「ロッキー」の違いは、エクステリアと異なりメーカーエンブレムが異なる以外、ほとんどありません。
最大の違いは、「ロッキー」の最上位グレードならシート表皮がソフトレザー調となることにあります。
上の写真のとおり、座面を除く部分がレザーのような素材となっているため、全面ファブリックとなっている「ライズ」より「ロッキー」の方が上質になっています。
ただし、上質に感じたのはソフトレザー調シート程度で、その他は全体的に廉価な印象があります。
まず、最上位グレードであれば本革巻きとなるステアリングホイールですが、さわり心地は悪く、「C-HR」や「ヴェゼル」の本革巻きステアリングホイールと比較すると、非常に質感が低くなっています。
日産「キックス」などでも感じましたが、名前こそ本革巻きステアリングホイールとなっているものの、触った感触はウレタンに近いものになっています。
さらに気になったのは、ドアアームレスト周りの質感の低さです。
フロントドアアームレストについては最上位グレードであれば一応ソフトパッドとなっているようですが、フロント・リアのいずれも見た目も触った感触も非常に廉価な印象があります。
フロントドアアームレストがソフトパッドとなるのは最上位グレードのみなので、中間グレード以下だと質感はさらに低下することになります。
室内の質感については、質感が非常に低いトヨタ「ヤリス」や「ヤリスクロス」よりは大分マシなものの、「ヴェゼル」や「C-HR」と比較すると、圧倒的に劣るといえるでしょう。
上記のとおり、インテリアの質感は「ヴェゼル」の圧勝です。
エクステリア以上に差があるため、これまでCセグメントクラス以上のクルマに乗っていた方や、質感を少しでも気にする方は「ヴェゼル」を選択した方が良いでしょう。
後部座席・荷室の広さ
■ヴェゼル:「e:HEV Z」
■「ロッキー」:「Premium G」
室内長の比較
「ヴェゼル」:2,010mm
「ライズ&ロッキー」:1,955mm
室内長は「ヴェゼル」の方が+5.5cm広い
室内幅の比較
「ヴェゼル」:1,445mm
「ライズ&ロッキー」:1,420mm
室内幅は「ヴェゼル」の方が+2.5cm広い
室内高の比較
「ヴェゼル」:1,225mm
「ライズ&ロッキー」:1,250mm
室内高は「ライズ&ロッキー」の方が+2.5cm広い
ラゲッジスペースの比較
「ヴェゼル」:-ℓ(先代ヴェゼル:393ℓ)
「ライズ&ロッキー」:369ℓ
「ヴェゼル」のラゲージスペース容量を先代「ヴェゼル」ベースで比較した場合、「ヴェゼル」の方が+24ℓ広い
室内の広さ比較 まとめ
室内の広さは上記の数値のとおり、室内高を除いて「ヴェゼル」の方が広くなっています。
「ヴェゼル」は先代から室内長が8cmも拡大しており、後部座席足元スペースは非常に広くなっています。
コンパクトなボディサイズながら室内が広い「ライズ&ロッキー」ですが、後部座席は「ヴェゼル」の方が広いでしょう。
また、「ヴェゼル」の後部座席は先代同様チップアップ機構付リアシートとなっているため、後部座席を持ち上げることで、ベビーカーなど背の高い荷物を積載することが可能です。
後部座席を可倒した際はダイブダウン機構により、より低く後部座席を前倒しできる様になっています
「ヴェゼル」の荷室(ラゲッジスペース)容量(数値)は不明ですが、先代とほぼ同程度の容量があると思われますので、「ライズ&ロッキー」と大きな違いはないでしょう。
両車ともにアンダーラゲッジが深くなっているため、小物を入れるスペースとして利用できるでメリットがあります。
「ライズ」は後部座席が僅かにリクライニングできるようになっていますが、上の写真のとおり非常に僅かなため、大きなメリットはありません。
快適装備の比較
快適装備を比較してみましょう。
「ヴェゼル」には、「ライズ&ロッキー」には無い以下の装備が搭載されています。
- ステアリングヒーター
- 雨滴検知式フロントワイパー
- リバース連動ドアミラー(助手席側)
- テレスコピックステアリング
- 照明バニティミラー付サンバイザー(運転席・助手席) ※「ライズ&ロッキー」は照明なし
- 左右独立温度コントロール式フルオートエアコン
- リアベンチレーション
- リアセンターアームレスト
- チップアップ機構付リアシート
- ワイヤレス充電器
- ハンズフリーアクセスパワーテールゲート
- 降車時オートドアロック機能
「ライズ&ロッキー」には、「ヴェゼル」には無い以下の装備が搭載されています。
- 助手席シートアンダートレイ
- 車速感応式オートパワードアロック
- シフト操作連動オートドアロック
- ウェルカムドアロック解除(解錠範囲に入ると自動解錠)
- アンロック状態で押すと開く給油口
上記のとおり、「ヴェゼル」の方が快適装備が豊富に設定されています。
最大の違いは、「ヴェゼル」に「ハンズフリーアクセスパワーテールゲート」が設定されていることでしょう。
足で開けられることが話題になりがちですが、それ以上にボタンでテールゲートの開閉が操作でき、ドアロックまでできることが最大の魅力です。
テールゲートはドアを閉じる際に半ドアになりやすかったり、開ける際は狭い場所だと重くて開けにくかったりしますが、「ハンズフリーアクセスパワーテールゲート」が装備されていれば、その憂いから開放されます。
「ハンズフリーアクセスパワーテールゲート」は「e:HEV Z」と「e:HEV PLaY」にしか装備されませんので、設定したい方は、「G」や「e:HEV X」ではなく「e:HEV Z」または「e:HEV PLaY」を選択しましょう。
その他、「ヴェゼル」にはエアコン吹き出し⼝「そよ⾵アウトレット」、静電タッチ式LEDルームランプなどが設定されています。
上記新装備のメリットや利便性は試乗ではわかりかねましたが、「そよ⾵アウトレット」以上にリアベンチレーション(エアコン後席吹き出し口)によるメリットの方が大きいと考えます。
このリアベンチレーションにより、暑い夏場など後席の快適性が高くなっています。
BCセグメントクラスSUVでリアベンチレーションが装備されているクルマはマツダ「CX-30」くらいですので、「ライズ&ロッキー」にはない魅力といえるでしょう。
「ヴェゼル」の快適装備で1つ注意が必要なのは、シートヒーターやステアリングヒーター、リアベンチレーションなどが「e:HEV X」や「G」には設定できないことです。
「e:HEV X」や「G」だとリアベンチレーションの位置が“タダの穴”になっており、何とも残念な感じになってしまいます。
後席充電用USBジャック2個についても「e:HEV X」や「G」には標準では装備されませんが、ディーラーオプションで設定することが可能です。
コネクティッドサービスは両車ともに使用できますが、「ヴェゼル」はスマホが鍵になるサービス「Honda デジタルキー」が使用できます。
スマホでクルマのドアロック操作や解除だけでなく、エンジン始動も可能となっており、他社では採用例の少ない先進機能が使用できます。
従来は電動パーキングブレーキという大きな装備差がありましたが、2021年11月1日に行われた一部改良により「ライズ&ロッキー」にも電動パーキングブレーキとブレーキホールドが搭載されたため、装備差は減少しています。
燃費性能の比較
燃費性能は、WLTCモード、ユーザーが投稿した実燃費を集計したe燃費の値にて比較します。
※実燃費は季節や使用環境により異なります。
※補足:WLTCモードとは
JC08モードはエンジンが温まった状態からの測定結果を75%、エンジンが冷えた状態からの測定結果を25%の比率で燃費を算出していました。WLTCモードでは、エンジンが冷えた状態からの測定結果のみを使用し、乗員や積載物の重量も考慮されることになり、これまでのJC08モードよりも実燃費値に近い条件となります。
- WLTCモード:市街地、郊外、高速道路の平均的な使用時間配分で構成した国際的な走行モード
- 市街地モード(WLTC-L):信号や渋滞等の影響を受ける比較的低速な走行を想定
- 郊外モード(WLTC-M):信号や渋滞等の影響をあまり受けない走行を想定
- 高速道路モード(WLTC-H):高速道路等での走行を想定
・ヴェゼル
・1.5Lハイブリッド(e:HEV) ※e:HEV X 2WD
→25.0km/L(WLTCモード)
→22.22km/L(e燃費より)
・1.5Lガソリン ※2WD
→17.0km/L(WLTCモード)
→13.52km/L(e燃費より)
・ライズ&ロッキー
・1.2Lガソリン
→20.7km/L(WLTCモード)
→14.96km/L(e燃費より)
・1.0Lターボ
→17.4km/L(WLTCモード)
→14.02km/L(e燃費より)
・1.2Lハイブリッド
→28.0km/L(WLTCモード)
→22.32km/L(e燃費より)
燃費性能を比較すると、「ライズ&ロッキー」の1.2Lハイブリッド車が最も優秀です。
同様に、ガソリン車で比較しても「ライズ&ロッキー」の方が優れています。
年間走行距離が8,000km、ガソリン代が140円だった場合の維持費の違いは、以下のとおりです。
- ヴェゼル(e:HEV搭載車):ガソリン代50,405円+自動車税30,500円=80,905円
- ヴェゼル(ガソリン車):ガソリン代82,840円+自動車税30,500円=113,340円
- ライズ&ロッキー(1.2Lハイブリッド車):ガソリン代 44,800円+自動車税 30,500円=75,300円
- ライズ&ロッキー(1.2ガソリン車):ガソリン代 70,000円+自動車税 30,500円=100,500円
上記のとおり、最も安くなるのは「ライズ&ロッキー」の1.2Lハイブリッド車で「ヴェゼル」のハイブリッド車より年5千円程度安いことがわかります。
同様にガソリン車でも「ライズ&ロッキー」の方が年5千円程度安いことがわかります。
上記はあくまで全体平均の実燃費から算出したものなので、乗り方や環境によって前後すると思われます。
ハイブリッド車は乗り方次第でWLTCモードに近い数値まで燃費を伸ばせますので、そうなればガソリン車との価格差は大きくなるでしょう。
逆に走行距離が短い場合は、ハイブリッド車とガソリン車の維持費の差が減少するため、走行距離が短いユーザーは車両本体価格が安いガソリン車の方がお得になるケースもあります。
いずれにしても、維持費を安くしたいなら「ライズ&ロッキー」がおすすめです。
加速性能の比較
加速性能について、比較していきます。
その前に「出力」と「トルク」の違いについて、簡単に説明します。
- 出力:クルマの速さ
- トルク:クルマの加速力
簡単に書くと、「最高出力」の値が高い車は速く走れる車で、「最大トルク」の値が高い車は加速が速い車ということですね。ただ、エンジンやモーターの特性、空力性能や車両重量などにより加速性能は全く異なりますので、単に”トルクの値が大きいから加速が速い”というわけではありません。
・ヴェゼル
・1.5Lガソリン
→最高出力 87kW〈118PS〉/6,600rpm
→最大トルク 142N・m〈14.5kgf・m〉/4,600rpm
・1.5Lハイブリッド(e:HEV)
エンジン
→最高出力 78kW〈106PS〉/6,000~6,400rpm
→最大トルク 127N・m〈13.0kgf・m〉/4,500~5,000rpm
モーター
→最高出力 96kW〈131PS〉/4,000~8,000rpm
→最大トルク 253N・m〈25.8kgf・m〉/0~3,500rpm
・ライズ&ロッキー
・1.2Lガソリン
→最高出力 64kW〈87PS〉/6,000rpm
→最大トルク 113N・m〈11.5kgf・m〉/4,500rpm
・1.0Lターボ
→最高出力 72kW〈98PS〉/6,000rpm
→最大トルク 140N・m〈14.3kgf・m〉/2,400~4,000rpm
・1.2Lハイブリッド
エンジン
→最高出力 60kW〈82PS〉/5,600rpm
→最大トルク 105N・m〈10.7kgf・m〉/3,200~5,200rpm
モーター
→最高出力 78kW〈106PS〉
→最大トルク 170N・m〈17.3kgf・m〉
「エンジン性能」を比較すると、「ヴェゼル」のハイブリッド車(e:HEV搭載車)が最も優秀です。
あくまで参考値ですが、0-100km/h加速は「ヴェゼル」のe:HEV搭載車が8秒前後、その他は何れも9秒~10秒前後となっています。
試乗で感じた印象は以下のとおりです。
■「ヴェゼル」
「ヴェゼル」のハイブリッド車は、先代の1モーターハイブリッドシステム「i-DCD」から、2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」に変更となったことで、高速走行時以外はモーターのみで走行できる様になりました。
ざっくり言えば日産のe-POWERと似たようなシステムですが、ホンダのe:HEVは高速走行時にエンジンで走行する点で異なります。
ガソリン車については、型式は異なりますが同じ直列4気筒1.5Lガソリンエンジンとなっています。
ただ、残念なことにガソリン車についてはパワーダウンしています。
車両重量が50kg程度重くなったことを考慮すると、ガソリン車については先代より加速性能が落ちたといえるでしょう。
また、e:HEV搭載車についても、最大トルクが非常に高い値となっていますが、踏み込んだ際の加速感は弱くなった印象があります。
これは「フィット」でも感じたことですし、「ノート」でも感じたことですが、何れも先代より加速感が減少した印象が強く、燃費を重視した制御になっている様に思われます。
もちろん、ドライブモードをSPORTにした際や、アクセルを強く踏んだ際の加速性能は素晴らしいものがありますが、何れにしても先代の1.5Lターボ車の様なスポーティーな印象はありません。
■「ライズ&ロッキー」
「ライズ&ロッキー」の1.2Lガソリン車は、アクセルを軽く踏み込むと軽やかに加速し、強く踏み込むと体を持っていかれるほどの加速性能を発揮します。
ただ、加速性能を発揮するにはエンジンを3,000回転以上回す形となるためエンジン音が大きく、昨今の新型車とは思えないほどうるさいというデメリットがあります。
スペック的には従来から搭載されている1.0Lターボ車より劣りますが、加速性能的には遜色なく、同等の加速性能を誇ります。
正直、走りは全く期待していなかった1.2Lガソリン車だけに、これほどパワフルで面白い加速を発揮することに非常に驚きました。
ただ、前述のとおり“最もうるさいパワートレイン”となっているため、静粛性の観点からは最も劣ります。
総合的に考えれば、1.0Lターボ車の方が優れているといえるでしょう。
「ライズ&ロッキー」の1.2Lハイブリッド車は、1.2Lガソリン車とは対照的に非常に静かで、リニアに加速します。
ただ、日産e-POWER(ノート)と同程度の加速性能を期待していると、ガッカリすることになります。
街乗りでは十分の加速性能ではあるものの、1.2Lガソリン車と比較すると明らかに加速性能は劣ります。
そのため、急な坂道や追い越し時はパワー不足を顕著に感じます。
加速性能は「ヴェゼル」のハイブリッド車が最も優れており、次いで両ガソリン車となるでしょう。
■ドライビング装備
「ヴェゼル」には「減速セレクター」と「ヒルディセントコントロール」が装備されています。
「減速セレクター」はパドルシフトのシフトダウンの様にエンジンブレーキなどにより減速力を高めるものです。
実際、試乗で試してみましたが、減速力は非常に弱く、パドルシフトのシフトダウンの様な減速力はありません。
そのため、「ライズ&ロッキー」のガソリン車に搭載されている「シーケンシャルシフト」の方が使える機能だと考えます。
「ヒルディセントコントロール」は、下り坂などで20km/h以下で走行中に設定した車速をキープする機能で、国内ホンダ車で初搭載となる機能です。
この機能は、ミディアムクラスSUVによく装備されているものですが、20km/h以下でしか使用できないため個人的にはあまり使用機会がない印象です。
「ライズ&ロッキー」のハイブリッド車にはワンペダル操作が可能な「スマートペダル(S-PDL、S-Pedal)」が搭載されていますが、アクセルを離した際の減速感が非常に強いため、慣れるまでに時間がかかるかと思います。
ユーザーによって好みはあるかと思いますが、個人的には「スマートペダル(S-PDL、S-Pedal)」をオフにした状態の方が運転しやすいと感じました。
また、ネックなのは再始動時に「スマートペダル(S-PDL、S-Pedal)」が自動的にオンになることです。
そのため、「スマートペダル(S-PDL、S-Pedal)」をオフにした状態の方が運転しやすいと感じたユーザーは、毎回「スマートペダル(S-PDL、S-Pedal)」スイッチを押す必要があります。
この点はデメリットだといえるでしょう。
安全性能の比較
安全性能について、比較していきます。
下表に各車の安全装備を整理しています。同機能の装備を同行に示しています。
ライズ&ロッキー | ヴェゼル |
ADB(アダプティブドライビングビーム) | - |
サイドビューランプ | LEDアクティブコーナリングライト |
オートハイビーム | オートハイビーム |
車線逸脱警報、車線逸脱抑制制御、ふらつき警報、路側逸脱警報機能 | 路外逸脱抑制機能 |
LKC(レーンキープコントロール) | LKAS(車線維持支援システム) |
- | 歩行者事故低減ステアリング |
衝突回避支援ブレーキ機能、衝突警報機能 | 衝突軽減ブレーキ |
ブレーキ制御付誤発進抑制機能(前方・後方)、ドライブスタートコントロール | 誤発進抑制機能、後方誤発進抑制機能、近距離衝突軽減ブレーキ |
コーナーセンサー(フロント2個/リヤ2個) | パーキングセンサーシステム |
RCTA(リヤクロストラフィックアラート) | 後退出庫サポート |
BSM(ブラインドスポットモニター) | ブラインドスポットインフォメーション |
標識認識機能 | 標識認識機能 |
全車速追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール) | 渋滞追従機能付アダプティブ・クルーズ・コントロール |
先行車発進お知らせ機能 | 先行車発進お知らせ機能 |
防眩インナーミラー | 自動防眩ルームミラー |
- | アドバンスドルームミラー ※ディーラーオプション |
パノラミックビュー(パノラマモニター) | マルチビューカメラシステム |
スマートパノラマパーキングアシスト(駐車支援システム) | - |
安全性能を比較すると、両車一長一短あるでしょう。
「ヴェゼル」は、低速時に歩行者との衝突回避をアシストしてくれる機能(歩行者事故低減ステアリング)を有している点、自動防眩ルームミラーが搭載されている点で「ライズ&ロッキー」より優れています。
先代からLEDアクティブコーナリングライト、オートハイビーム、近距離衝突軽減ブレーキ、ブラインドスポットインフォメーション、渋滞追従機能付アダプティブ・クルーズ・コントロール、マルチビューカメラシステムなど、多くの先進安全装備が新たに搭載されたことにより、「ライズ&ロッキー」との安全装備差は大きく減少しています。
一方「ライズ&ロッキー」は、対向車の部分的に遮光する先進ライト(アダプティブドライビングビーム)を搭載している点、駐車支援システム(スマートパノラマパーキングアシスト)を搭載している点で「ヴェゼル」より優れています。
同クラスでアダプティブドライビングビームを搭載しているクルマはまだまだ少なく、先進的であるといえます。
また、駐車支援システムはまだまだ発展途上なため、搭載されているメリットは小さいと考えます。
何れにしても、主要な安全性能に大きな違いはないでしょう。
価格の比較
価格について、比較します。
ヴェゼルのおすすめグレード&価格
「ヴェゼル」のおすすめグレードは、ガソリン車なら「G」1択で約228万円、ハイブリッド車なら「e:HEV Z」で約290万円です。
各グレードの違い、おすすめグレード、おすすめオプションの詳細は、以下の記事にまとめています。
Honda CONNECTディスプレイ代等約22万円を足すと、「G」は約250万円、「e:HEV Z」は約312万円となります。
※上記の価格は税金などの諸費用を足していません。諸費用を足すと+15万円程度の価格になります。
ライズ&ロッキーのおすすめグレード&価格
「ライズ」のおすすめグレードは「Z」で、ガソリン車が約204万円、ハイブリッド車が約233万円です。
理由は、レーンキープコントロール、全車速追従機能付ACCなどの安全装備が「Z」でないと設定できないからです。低めなインテリアの質感もある程度カバーできることも大きな理由の1つです。
各グレードの違い、おすすめグレード、おすすめオプションの詳細は、以下の記事にまとめています。
メーカーオプションのブラインドスポットモニター、パノラミックビュー対応ナビレディパッケージ、ディーラーオプションの9インチT-Connectナビ、ETC代等を約41万円足すと、「Z」(ガソリン車)は約245万円、「Z」(ハイブリッド車)は約274万円となります。
※上記の価格は税金などの諸費用を足していません。諸費用を足すと+15万円程度の価格になります。
※「ロッキー」ならおすすめグレードは「Premium G」及び「Premium G HEV」です。シート表皮がソフトレザー調シートとなり、フロントグリルが艶あり塗装となることから「ライズ」より2万円程度高くなります。
価格比較 結果
上記の価格は税金などの諸費用を足していませんが、値引き額で概ね相殺される、または若干安くなるでしょう。
上記価格を比較すると、ガソリン車なら5万円程度、ハイブリッド車なら40万円程度「ライズ&ロッキー」の方が安いことがわかります。
車両本体価格は「ライズ&ロッキー」の方がかなり安いものの、設定するオプションが多くなるため、価格差は減少しています。
いずれも、維持費(燃費性能)は「ライズ&ロッキー」の方が安いため、10年間使用した場合「ライズ&ロッキー」の方がさらに安くなります。
つまり、「ライズ&ロッキー」の方が圧倒的に安いということです!
さらに安く、お得に購入したい方は“新車同様の中古車”も検討してみましょう。
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楽天Car車買取は、いわゆる一括査定サービスと異なり、査定を受ける回数は1回のみとなっています。
私は一括査定サービスに登録した経験がありますが、各業者からの山の様なメールと電話が来て大変鬱陶しい思いをすることになりました。
個人情報も各社に流れてしまうため、プライバシー保護の観点からみても良くありません。
楽天Car車買取は、そういった心配は無用といえるでしょう。
また、査定までの全ての工程を楽天カー株式会社が担当するため、複数の業者と話をする必要はありません。
■楽天ポイントが最大5,000ポイントもらえる!
車の売却成立で1,000ポイント、さらにマイカー割のメンバー登録を行うと合計5,000ポイントが貰えます。
※進呈される最新のポイント数は楽天Car車買取公式HPにてご確認ください。
マイカー割は、お得なメルマガが届いたり、車関連のサービスでポイントが追加で貰えたり、車用品などに使えるクーポンが貰えるキャンペーンとなっているため、入って損はありません。
楽天ポイントは売却価格とは一切関係ありませんので、楽天で車を売るだけで5,000円貰えると言っても過言ではありません。
■あなたの愛車の価格を知り、さらに高く売りましょう!
高価買取実績のある楽天Car車買取で無料査定することにより、あなたの愛車が高く売れる可能性は大きく広がります。
高値がつけば楽天Car車買取でそのまま売ってしまっても良いですし、さらに楽天Car車買取で出された査定額を用いてディーラーで価格交渉の材料に使う手もあります。
私はスズキ「スペーシア カスタム」を売る際、ディーラーで下取りに出した後に楽天Car車買取を知り、「もっと高く売れたなぁ」と大変後悔しました。
私のような後悔をしないためにも楽天Car車買取に出品して、現在の車を少しでも高く売って、新しい車を安く買いましょう。
【PR】“新車同様の中古車”なら、新車より60万円以上安い!
車は基本的に新車で買うもの!私はずっとそう考えていました。
しかし、新古車・未使用車や走行距離1,000km程度の車は新車同様です。
さらに、モノによっては普通に新車を買う場合より60万円以上安く買えるケースも多数あります!
上記を考えると、新車購入を検討中の方は“新車同様の中古車を探してみる”という選択肢も大いにありだと思いませんか?!
また、中古車の場合は納期待ちが長い車と異なり、すぐに納車されます。人気車種の場合は納車に1年以上かかるケースがあることも考えると、魅力的ではないでしょうか。
■中古車のメリット、デメリット
“新車同様の中古車”を買う場合のメリットは何といってもその「安さ」が魅力ですが、デメリットは「自分の付けたいオプションが選べない」という点でしょう。
ただし、上記はメーカーオプションの場合のみで、ディーラーオプションの場合は後付けも可能です。
そのため、中古車を選ぶ際は車のカラー及びメーカーオプションを妥協しないようにしましょう。
■中古車を買うなら中古車販売台数トップクラスのガリバーがおすすめ!
中古車を買うなら、中古車販売台数トップクラスのガリバーがおすすめです。
中古車業界の最大手で、知名度も高く、信頼性が高いため安心です。
さらに、ガリバーは以下のメリットもあります。
- 修復歴車(事故車、事故歴ありの車)を販売していない
- 納車後、100日以内であれば返品可能
- ディーラーより長い10年保証(走行距離無制限、ハイブリッドカーのバッテリーなども保証)
ガリバーによると、修復歴車の約4割(39.4%)の車で何らかの故障が発生していたため、修復歴車の販売をやめたようです。そんな修復歴車を販売していないので、故障が発生するリスクが低いともいえますね。
特に驚きなのが、100日以内であれば返品可能というところではないでしょうか。これなら、仮に購入した車に問題があった場合や、急に車の使用シーンが大きく変わっても安心ですよね。
その他、ディーラーよりも長い10年保証というのも心強いです。ハイブリッドカーのバッテリーなども保証対象なのでさらに安心です。走行距離が何kmでも保証対象です。
■中古車は早いもの勝ち!非公開在庫もある!
中古車は基本的に1台限りのものですので、良い車も早く問い合せしないと売れてしまう可能性があります。
また、ガリバーでは毎日約500台の車を買取しており、まだネット上で公開されていない車(非公開在庫)もたくさんあります。
ガリバー 公式サイトに登録すれば、自分で検索するだけでは見つけられない”あなたに最適な車”をガリバーが探し出してくれます。さらに「非公開在庫」も優先的に紹介してもらえます。
気になった車、欲しい車がある方はガリバーに登録して探してもらいましょう!
※中古車の販売金額は申込完了ページには表示されません。登録後、ガリバーから電話がかかってくるので、そこで詳しい話を聞いてみましょう。
まとめ
今回は、ホンダ「ヴェゼル」とトヨタ「ライズ」&ダイハツ「ロッキー」を徹底比較してみました。
「ヴェゼル」と「ライズ&ロッキー」の比較結果を以下にまとめてみました。
- 運転のしやすさ:「ライズ&ロッキー」の方が運転のしやすく、取り回しが良い
- エクステリアやインテリアの質感:「ヴェゼル」の方が質感高い
- 室内や荷室の広さ:後部座席は「ヴェゼル」の方が広い
- 快適装備:「ヴェゼル」の方が豊富に設定されており、快適性が高い
- 燃費性能:「ライズ&ロッキー」が優秀
- エンジン性能:「ヴェゼル」e:HEV搭載車の圧勝
- 安全性能:引き分け
- 価格の安さ:「ライズ&ロッキー」の方が最大40万円程度安い
どの部分を優先するかによりますが、決め手は運転のしやすさ・質感・走り、そして価格になります。
運転のしやすさを重視するなら「ライズ&ロッキー」がおすすめです。
5ナンバーサイズであるため取り回しの良さは「ヴェゼル」より圧倒的に優れています。
そして何と言っても価格が安いため、コスパの高さも「ヴェゼル」より優れているでしょう。
走りを重視するなら間違いなく「ヴェゼル」がおすすめです。「ライズ&ロッキー」にはない加速性能があり、e:HEV搭載車であれば燃費性能も優秀なため、走行距離が多い方にもおすすめだといえます。
また、「e:HEV Z」や「e:HEV PLaY」であれば室内外ともに質感高くなっているため、所有する満足感は「ヴェゼル」の方が高いといえるでしょう。
どちらが良いかはユーザーによって異なるため、購入後後悔しないためにも“クルマを購入する上で何を重視するのか”を整理してから購入する様にしましょう。
特に何もないということであれば、価格が安い「ライズ&ロッキー」の方が無難でしょう。
質感や快適性では「ヴェゼル」に及びませんが、実用性は十分です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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